下肢のスポーツ障害のテスト方法ならシンプルで実用性のあるステップテストを行うといいでしょう。
簡単に行え対策もたてられるので画像と一緒に参考にしてみて下さい。
ステップテスト、ステップエクササイズとは
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ステップテストは多くのスポーツの中で重要な“踏み出す”という動作をテストする事でその人の下肢の癖をチェックできます。
無意識にknee-inとなったり、回外足になったりを足を踏み出すという基本的な動作からチェックするので信ぴょう性は高くなります。
と言うよりこの簡単なテストで異常があるようでは、プレー中にはもっと悪い影響が出ている事は明白です。
足のケガの検査「ステップテスト」のやり方
ステップテストは簡単に行える下肢のスポーツ障害のテスト方法になります。
足の幅は肩幅に足を開き、そのまま横を向いた状態を基準として足を前後に開きます。
そのまま最初は両足を床に着けたまま体重を前足に乗せてチェックします。
正確にできるようになって来たら、ランジの様にステップを踏むとよいでしょう。
<チェック1>
骨盤が後傾or過度に前傾していないか?
→骨盤が後傾するとパフォーマンスの低下ばかりでなく、多くのスポーツ障害を誘発します。
<骨盤の後傾=大腿四頭筋の過度な遠心性収縮で起こりやすいスポーツ障害>
→オスグッド・シュラッター病の3つの大きな原因とテーピングのやり方
→膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)の治療やリハビリ、テーピングのやり方
<骨盤の過度な前傾=腰椎の伸展(反り)が強くなると起こりやすいスポーツ障害>
<チェック2>
股関節はニュートラルで使えているか?主に前に出過ぎていないかチェックします。
→股関節が開いたり閉じて使用していると問題になります(股関節のFWRでの使用)。
頻度としては開いて使っている人が圧倒的に多いです。
開いていると連鎖で内股になりやすく股関節の動きがしっかり使えないため、膝やそれより下の関節の負担が大きくなります。
FWR:骨盤前方回旋
BWR:骨盤後方回旋
<股関節が開いていいると起こりやすいスポーツ障害>
→膝の内側が痛い、鵞足炎の原因とリハビリやテーピングのやり方
<チェック3>
膝の向きは正面を向いているか?kneein、kneeoutのチェックで、過度に膝がknee‐in(out)していると問題になります。
頻度としてはknee‐inが多いですね。
膝がknee‐inすることで足部の問題が誘発されます。
<ニーインで起こりやすいスポーツ障害>
→膝の内側が痛い、鵞足炎の原因とリハビリやテーピングのやり方
<チェック4>
足部はつぶれていたりしないか?
→足部が回外・回内していると問題になります。
頻度としては回内足が多いです(回内足は偏平足と考えてもらえばわかりやすいです)
過度な回内足・回外足があると足趾の屈曲を使い無理に修正しようとするので、足趾の問題につながります。
<足部がつぶれると起こりやすいスポーツ障害>
→走るとスネの内側が痛いシンスプリントとは。治療とリハビリ6選
<チェック5>
足趾の屈曲は正しく行えているか?
足の指の曲がりが強かったり、弱かったりするのも問題となります。
<足の指が曲がり過ぎて使うと起こりやすいスポーツ障害>
足のケガが多い問題パターン
チェックしたら一緒に覚えておきたいのが、スポーツ障害が起こりやすい問題パターンを理解しておくことです。
足に関してのスポーツ障害は連動して起こっている事が多いので覚えておくとアプローチしやすいです。
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股関節が開いている→knee‐in→回内足→足趾屈曲
がメインとなる連鎖の問題で、その逆は頻度としては少ないです。
どこか1か所が悪いということは少なく、2か所ないし、それ以上での問題が多いです。
また正しい姿勢が取れていても筋肉の前後のバランスが悪いとよくありませんので、実際に触って確認します。
特に問題となるのが大腿四頭筋とハムストリングスの筋出力の不均一です。
どういうことかと言いますと、大腿四頭筋に過度に力が入ってしまうことが多く、ハムストリングスが正しく使えていない人が多く見受けられます(ハムストリングスの遠心性収縮不足、四頭筋の過剰な求心性収縮)
ハムストリングスを触ってみて、大腿四頭筋と同じぐらい筋肉を使っているようであればOKです。
チェックが終わりましたらエクササイズで修正が必要になります。
kneeinや内股の原因はこちらも考えられます
「膝・股関節のスポーツ障害やケガを予防する”股関節外旋エクササイズ”」
ステップエクササイズのやり方
ステップテストで問題が起きたら、次にステップエクササイズで少しずつ改善していく必要があります。
最初に行うのは問題がある関節の可動域訓練です。
多く場合はストレッチを行うだけで改善されることが多いです。
最近だと骨盤後傾位が原因で臀部~大腿後面(ハムストリングス)の柔軟性が乏しい例が多いですね。
ハムストリングスのストレッチ方法はこちら。セルフ、パートナー、静的、動的をチェックです
骨盤後傾の原因は「生活習慣があたえる運動能力の低下について」でチェックしてみて下さい。
全てではないですが、当てはまる例も多いと思います。参考にしてみて下さい。
レベル1
柔軟性が確保できたら次は正しいステップでの筋出力を行います。
ステップテストでの正しいフォームのまま体重をかけていきます。
膝がつま先より出ないように気を付けて繰り返し行いましょう。
慣れるまでは前後の筋に差が出てしまったり、バランスを崩したりしますが、繰り返し補助しながら行う事で改善されます。
繰り返しステップする事で、筋肉をバランスよく使えるようになります。
踏み込むポジションが取れたら自分でふとももの前後を触る事で、きちんと筋肉がバランスよく働いているか確認すべきです。基本的な動きなので重要です。
レベル2
次にレベルアップとしてステップ時にパートナーが膝を内側や外側から押したりすることで不安定感を与えます。
エクササイズをしている方は膝がぶれないように耐えましょう。
レベル3
両足を固定しまま問題なくできるようになったら、ランジのようにステップをしながら正確に行うようにし、次にバランスパッドなどを使用しバランスを取るのが難しい環境で行います。
(私はトワテックのバランスパッドを使用していますが、やや硬いかな?と感じています。使用感は問題ないです。クッション性のあるバランスクッションは片足立ちでのバランスエクササイズに最適です。)
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そして競技に合わせた環境で行っていきます
例)バスケならボールを使用しながら。
テニスならラケットを行い回旋も混ぜる。など
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ステップテスト・エクササイズの間違ったやり方
正しいやり方は上記に書いてありますが、間違えやすいやり方を紹介しておきます。
ステップ時に膝が足趾より先に出過ぎる場合や身体が前に行かず下に向かうステップはよくないやり方になりますので、注意して下さい。
さいごに
上記が完璧(ニュートラルポジション)に行えればスポーツ障害・スポーツ外傷のリスクはグッと下がるでしょう。
逆に上記ができず、大きく偏ってしまっていた場合は障害のリスクはあがってしまいます。
地味な事ですが、しっかり行えるとパフォーマンスの向上にもつながりますし、是非マスターして頂きたいです
その他のパフォーマンスの向上、スポーツ障害の予防はこちら
「身体の使い方・股関節のエクササイズにおすすめのアイテム、スライディングボード」
一緒に読みたい
主に治療家・セラピスト向けになりますが、より具体的なアプローチポイントとして管理人の考え方を練り込んだ内容をお伝えします。表では書いていない内容としてセラピスト目線のアプローチ方法や専門用語を使った解説がメインとなりますので、経験者の意見が聞きたい・幅広い知識が知りたいという人におすすめです。
またスポーツ障害に限らず一般の疾患としても使えるので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
→[スポーツ障害の勉強部屋]