トレーニングジャーナルで興味深い記事があったのでシェアします。
学生に限らず器具を使った筋トレの指導を受ける際、RMという言葉出てきますよね。
しかしこのRMと言う考え方はもしかしたらもう古いのかもしれません。そしてそれに伴って今までの考え方が整理され、修正される可能性があります。
じゃあ、最近の効果が出る筋トレの方法って何?
(この記事での筋トレは自重ではなく、器具を使ったトレーニングを指します。)
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今までの筋トレについて
今までのの筋トレは、筋トレ直後に血中で増加するホルモンがトレーニング効果を増強すると主張されていました。
その為どうやって筋トレ後のホルモン濃度を上げるかの筋トレ研究が行われてきたのです。
その結果、80%1RMを1set10回程度とし、それを1分間の短いインターバルで数set行う方法が運動後のホルモンを上昇させることが明らかとなり、流行ってきました。
RMとは最大挙上量と考えてもらうとシンプルで分りやすい。つまり1RMとはその人がマックスでどのぐらい上げる事が出来るかの数値になる。つまり80%1RMという事はマックスの80%の重さという事でそれを10回は結構きつい。それを短い休憩で数セットは更にきつい
それは確かに筋力向上や筋肥大が起こりますが、それはホルモンによる上乗せではなく、筋肉に対する純粋な負荷によるものと言うのがトレーニング科学での新しい定説となっています。
ではホルモンを投与するドーピングだと影響はどうでしょうか?
ドーピングによるホルモン濃度の上昇について
ドーピングにより筋肉を付きやすくしようとすると事実、筋肉はつきやすくなります。
ドーピングでホルモン濃度を上げて筋肉がつきやすくなるなら、ホルモンと筋トレはやっぱり重要な関係にあるじゃないか!と思われがちですが、ここでポイントがあります。
それは「ドーピングによるホルモン濃度の上昇は生理的範囲を越える」という事です。
また「一時的でなく継続的にホルモン濃度が維持される」こともポイントとなります。
簡単に言うと薬で無理矢理筋トレ効果を上げようとしても、人の身体では起こらないから無理だよ。って事ですね。
つまりデータがあったとしても比較にならないのです。ドーピング、ダメ、絶対。
あくまで生理的に起こるだろう範囲でのホルモン濃度の上昇はトレーニング効果とは無関係だろうというのが現時点での見解となります。
重さ(負荷)と効果
多くの人は1RMの80%か90%を少ない回数を持ち上げるといいと教えられているでしょう。
しかし筋力や筋肥大の増加率に関しては、軽い重量を用いても重い重量を用いても筋肉のタンパク質の合成速度に違いがないとの報告が多く出ています。
ではなぜ重さを変えても筋力や筋肥大に大きな違いが出ないのでしょうか?
それは「回数」が大きな理由となります。
負荷が重ければその分筋トレの効果も高いと考えるのは普通ですよね。効きそうだもの。
事実、単発では高負荷の方が多くの筋繊維を使い、肥大しやすい速筋を使うので効果は高く、筋電計でもそのような結果となっています。
ですが実際の回数は低負荷の方が多く出来ます。高負荷はその分回数が出来ないのです。
結局筋力向上や筋肥大効果を得るには筋トレの負荷に関係なく限界まで追い込めば効果も同じになると考えられます。
最低限のレベルを超えてトレーニングを行えばいいのであって、重ければ重い程いいと言うわけではないとの考えですね。
ではその最低限とはどこでしょうか?
筋トレで効果が出る最低限の負荷とは
筋トレで効果が出る最低限はどこかと言えば実はどの程度かはっきりわかってはいなのです。
しかし20%1RMでも認められたというデータが出ているので、このぐらいがラインとしておけばいいでしょう。
これに関しては簡単ですがデータが載っていました。簡単にここでも説明しますが、もう少し詳しく知りたい方はトレーニングジャーナルナンバー444をご覧ください。
成人男性49人を軽い負荷の多回数と重い負荷の少回数のグループに分け、それぞれ同じメニューを週4日行ったところ、筋肥大は両方で認められました。
しかもその向上に大きな差はなかったとの事です。
またベンチプレスのみ高負荷の方が高い数値が出たとのことですが、それも若干とのこと。
つまり12週間後の1RMでは大きな差はなかったのです。
これは技術がつきやすい高負荷の筋トレと比べても低負荷の筋トレをきちんと行えばその差はほとんど出なかった事を指します。
参考文献
今回はトレーニングジャーナルの2016/10号 ナンバー444のスポーツ医学トピックスよりシェアさせていただいた。
低負荷を限界まで行うメリット・デメリットを考える
低負荷を限界まで行うと筋力・筋肥大に関しては高負荷と比べても大きな差がないだろうとの事だけど、それで終わっては実践に落とし込みが出来ないので、少し話を膨らませてみようと思います。
大きくわけて2つです。
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時間
まずは時間ですね。低負荷を回数行うとなるとそれだけで時間がかかります。高負荷と比べて1setあたり12回前後多くなるので、例えば部員が多いとそれだけで時間がかかります。
対策として部員をいくつかのグループに分けて回していく事がいいかもしれません
(筋トレグループ、身体の使い方グループ、アジリティグループなど)
ケガ
筋トレによるケガについては過去でも何回か書いていますが、高校生の筋トレによるケガが意外と多いのです。
これは本人がいけると思って行った結果という事例も少なくないでしょう。
これに関して低負荷を多回数で行う場合、突発的なケガが減る事が予想できます。
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つまり
時間を考えるなら 高負荷+少回数
ケガのリスクを考えるなら 低負荷+多回数
などと使い分けてもいいでしょう。
ただし当然ですが、限界まで行う事にあたって正しいフォームはしっかりと理解し勉強する必要があります。
おわりにと管理人の考え
今回のトピックスに関しては私としても筋トレと言ったら高負荷+少回数のイメージが強かったので、新しい知識が得る事ができて嬉しく思いました。
しかしできれば筋繊維の特性についても触れてもらいたかったというのがあるので、少し残念です。
速筋・遅筋への影響は?それともそれは上げた方による影響のみ考慮すればいいのか?
筋肉の可塑性については?筋肉は使い方で発揮され方も違うのでは?他のトレーニングで補える?
など、研究で終わりではなくそれを実践に落とし込むと言うのが大切な事なのでは?と感じました。
まあそれは私たちがすればいいんでしょうが、やはり研究と現場にはまだまだ差があり、その橋渡しも必要なのではと考えを置いて今回のシェアを終わりにします。
よろしければ関連記事にも目を通して下さい。筋トレでのケガを減らす手助けになりかもしれません。
最後まで見て下さりありがとうございました。
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