近年高校生の部活で腰を痛めて来院する子たちが増えているように思えます。
その原因を探るために話を聞くと、ある共通点がありました。
今回はその事を書いていきますので、チェックして下さい。
ちなみにここでの筋トレはバーベルなどを使った、自荷重以外のトレーニングのお話になります。
高校での筋トレの参入
近年、高校の部活でも筋トレの外部コーチを呼び指導してもらう時代となりました。
AT(アスレティックトレーナー)や元ボディビルダーが多いように感じます。
トレーニング内容はBig3と呼ばれるベンチプレス、デッドリフト、スクワットがメインです。
実際、指導前と違い重い重量を上げられるようになったという声もよく聴きますね。
うん、素晴らしいです・・・・?
しかし全員が全員効果を実感しているでしょか?逆にチームとしてバランスが崩れていませんか?
筋トレの間違った認識
重量があげられるようになった!!
しかし実はこの時点で子供たちは大きな勘違いをしています。
大事なのは重い重量を上げる事ではなく、重量を上げる事でついた筋肉を競技に活用する事です。
ですので、中には重い重量を上げられるようになって「打球の飛距離は伸びた?」と聞くと「伸びた気がします」と答える子がいます。
いやいや、気がするって実感できていないですね。。。
それに本来ならばトレーニングを開始する前に目的を絞り、実際数字でわかるように計測して、その後期間を区切って実際の効果を確認するために計測しなければ意味がありません。
部活の指導者もトレーナーを雇って任せる事で満足し、トレーナーも指導したつもりで満足し、選手も上げられる重量が増えて満足する。
それは効果が出ているという事にはなりません。
満足≠効果なのです。
筋トレの4つの大きな問題点
そしてそのような状態の指導だと少しずつ現れてくるのが、トレーニングによる“重篤なケガ”ですね。
特に多いのはデッドリフトやスクワットでの腰部疾患や、ベンチプレスでの肩甲骨の固定不足による肩の疾患です。
またケガの原因として多いパターンは下記の通りです。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
多くは一人ひとりに細かく指導できていない
トレーナーも一人ひとりのフォームを細かく見れていない場合や学生が理解できていない場合があります。
これでは必然とケガのリスクは上がります。
最初は指導してもいつの間にかフォームが崩れている
スクワットで腰を反らせてはいけないと指導しても重量が増えたり、きちんとフォームが出来ていない状態だと腰の伸展でバランスを取ろうとすることでケガを増えます。
逆に下す時など腰を曲げて行う為に、筋肉が過度に負担が掛かってしまう事もあります。
具体的には腰椎椎間板ヘルニアや筋筋膜性腰痛症、また腰椎分離症のリスクを助長します。
効果が明確に実感できていない
これは上記で触れてありますが、重量が上がっても実際のパフォーマンスとリンクしていていないパターンです。
いつのも間にか筋トレで重量を上げる事ばかりに目がいってしまうとこのような事になります。
筋トレの目的をはっきり説明し理解させていない
これは指導者の問題です。
この筋トレはこのスポーツではこのような時に必要になります。
このトレーニングをするとこのようなパフォーマンスが向上しますなど、具体的に指導しなくてはいけません。
ただ単にベンチ上げれれば打球伸びるよ!では指導と入れるのか疑問になります。
筋トレは効果が表裏一体でリスク管理をしっかり
実際周りで筋トレだけ休んでいる選手もいるのではないでしょうか。
またはあきらかに下の重量で行っている選手はいませんか。
筋トレを始めてから腰が痛くなってバッティングに支障が出た選手はいませんか。
筋トレの導入によりパフォーマンスが上がった選手もいるでしょうが、同時に下がっている選手を抽出し、対策を立てなくてはせっかくの筋トレがマイナスになってしまします。
まさかトレーニングを乗り切った選手を優先して使うなんて荒い学校はないですよね・・・?
トレーナーを取り入れる事は良い事ですが、取り入れる事で満足せず、トレーニングからパフォーマンスにつなげる方法やケガのリスクを常に理解させる必要が間違いなくあります。
筋トレを筋トレで終わりにしない対策
これは筋トレと同様に瞬発系、特にSAQトレーニングなどを積極的に取り入れる事をおすすめします。
また、サーキットなどで行うとよいでしょう。
あとはプライオメトリクスもおすすめです。
SAQトレーニングについてはこちら
「あらゆるスポーツ競技者の基礎的な能力を伸ばすSAQトレーニング」
プライオメトリクスについてはこちら
筋トレでのケガのリスクを下げる方法
スポンサーリンク
スポンサーリンク
部活のメニューで筋トレが入っている以上、ある程度は行わなくてはいけません。
また他の選手がやっている中、トレーニングを行う事で腰などが痛くなってします選手はとてももどかしいと思います。
そこでリスクを下げる方法を書いておきます。まあ当たり前の事なんですが。
それは「正しいフォームを身につける」他ありません。
部活では最初に教えてもらったから聞きにくい。などあるかもしれません。
それならば他で習えばよいでしょう。
整形外科や整骨院などのスタッフはトレーニング時のケガを考えたフォームを教えてくれます。
いきなり行ってたまたま指導してくれる先生がいない可能性もありますので、一度電話で問い合わせる事をおすすめします。
「スクワットで腰を痛めたんですが、腰の治療と一緒に痛みが出にくいフォームを教えてもらえますか」などと問い合わせればよいでしょう。
それこそ筋トレの日なんかは早く上がったり、休んでもいいかもしれませんね。
また中にはパーソナルで教えてくれる施設や指導者もいます。
これはそれなりに金額はかかりますが、整形外科や整骨院より密に教えてくれるので、早く身に付けられます。整形などは見れる時間が短い事が多いですからね。
正しいフォームさえ身に付ければ問題ないはずです。
さいごに
みなさんの学校、またはみなさん自身は大丈夫でしょうか。
最後になりますが、決して筋トレを否定するわけではありません。
正しく行って、怪我を予防し、パフォーマンスを上げてもらいたいです。
能力を上げるのに必須だとも思います。
<関連記事>
ゴムチューブでの筋トレは間違いである2つの理由と正しい認識とは
Sports medicine(スポーツメディスン)170号「トレーニング障害」の内容
以上「部活の筋トレで腰痛などのケガが出る原因。4つの問題点とは」を終わりにします。
最後まで閲覧して頂き、ありがとうございます。
スポンサーリンク
スポンサーリンク