スポーツで多い疲労骨折を部位別に説明していきます。
疲労骨折とは一度の外力で発生するケガではないので進行して初めて気づくって選手も多いのが現状です。
自分で触るとスネが痛い。。。?それはもう疲労骨折の前兆かも?
疾走型脛骨疲労骨折の解説とシンスプリントとの見分け方もどうぞ。
ジャンプ競技の選手はこちら
疾走型脛骨疲労骨折とは
疾走型脛骨疲労骨折とは名前の通り、走る事で生じる脛骨(すね)の疲労骨折であり、多くの選手を悩ましてきたスポーツ障害です。
他に脛骨の疲労骨折では疾走型脛骨疲労骨折が多いですね。
疾走型は全身に起こる疲労骨折の中で一番多いとされていて、年齢的には16歳が多いですが幅広く骨折してしまします。
脛骨の疲労骨折は起こる部分の幅が広く、ここにしか起こらないと言うのがあまりありません。
その人のランニングフォームなどによって異なるので、ここに痛みがないから疲労骨折ではないな。と安易に考えてしまうと進行してしまうので注意が必要ですね。
疾走型脛骨疲労骨折の原因
脛骨(すねの骨)はわずかに前にふくらんだカーブをしていますが、このカーブに地面からの反発力と自分の荷重が加わる事で部分的に強い圧縮力が働き、疲労骨折すると言われています。
基本的にオーバーユースで生じますが、練習メニューにより疲労骨折がこりやすくなります。
- 高校へ入学しランニング量が増えた
- 普段よりピッチを上げて行った
- 練習メニューの変更(坂道など)
また骨密度の低下も疲労骨折の起こす原因と言われています。
疾走型脛骨疲労骨折の症状
多くの場合初期は自覚症状がありません。
症状の進行とともに自覚症状が出てきます。
主に足がついている時(荷重時)にすねの内側や後ろに痛みを訴えます。
また限局的に押しての痛みがあります。
早期発見のポイントとシンスプリントとの違い
基本的に進行してから痛みを訴える事が多いので中々使う機会がないかと思いますが、もし子供や生徒に検査する機会がありましたら早期発見のポイントとなりますので、チェックして下さい。
シンスプリントとの判別にも使えます。
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徒手的検査
徒手検査はその場で出来るのでやり方さえ覚えてしまえば誰でも出来るので早期発見に有用です。
圧痛
痛いところを押して確認します。疲労骨折の場合は比較的狭い範囲で痛みを訴えますが、シンスプリントの場合はそれより広い範囲で痛みを訴えます。
目安としては指2本より広いかどうかですかね。
圧縮痛
スネの上の部分では難しいですが、下の方であれば有用です。
右足を検査する場合
①左手で足首の外側を内側へ
②右手で疲労骨折が疑われる部分の少し上を外側へ
③踵を下から上へ膝で圧迫
3つを同時に行うと疲労骨折があった場合、ストレスがかかりやすくなるので痛みがでる可能性があります。
足首の方を気持ち下から押し込むようにするといいでしょう。
基本的にシンスプリントでは痛みができませんが、シンスプリントの重傷タイプですと痛みがでる可能性があります。痛みがあった場合整形外科の診察をおすすめします。
軽症型・重傷型についてはシンスプリントのページをご覧ください。
器具による検査
基本的にレントゲンが現実的ですが、一部超音波治療検査ですとレントゲンにうつらない段階での発見ができるようです。
レントゲンはある程度進行していないとわからないのが難点です。
しかし基本的には既往歴(今まで疲労骨折の経験はあるか)、臨床症状(圧痛はあるかなど)を重要とし、早期に来院した場合レントゲンに頼り切らない診断が大切になります。
疾走型脛骨疲労骨折の治療
歩いて痛い、ジョグでも痛いなど症状が強い場合は基本的に安静にし症状の緩和を目指します。
電気治療で痛みの緩和などを整形外科や整骨院で行います。中には超音波治療を行う事もあるでしょう。
併用してストレッチなどが必要になる事が多いでしょう。
期間は症状によりますが、4~8週前後でしょうか。
症状の緩和と共に練習メニューの改善やインソールの使用を考えて改善してきましょう。
少し痛みが良くなったからと言って練習に参加すると痛みがぶりかえし、治ゆまでの期間が伸びてしまうので注意が必要です。
栄養による問題(カルシウム不足)が考えられる場合は、そちらへのアプローチも必要となります。
疾走型脛骨疲労骨折の改善策/リハビリ
原因がわかっていると改善策は立てやすくなります。
大きく3つに分ける事が出来るので、自分に当てはまるものを考え何が重要か考えましょう。
痛みは強い場合は上記の治療を参考にしてから対応して下さい。
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身体的要因
体の柔軟性が少なく衝撃を吸収しきれない。
走る時に身体の使い方が悪く衝撃が強い(下記のリハビリを参照)
→ストレッチやリハビリを重点的に
環境要因
外を走るなどカタい地面を走る事が多い
トレーニングシューズのインソールの変更
→走る場所の変更、インソールの変更を考慮
トレーニング要因
グラウンドを回る際、同じ方向ばかりで回る
練習メニュー・練習量の変更により負荷が増えた
→練習メニューの見直し、練習量を少しずつ増やす
リハビリ
足が地面につくときに踵の外側から接地していると足の吸収力が落ちてしまいます。その為正しく足をつく練習と、足の柔軟性が必要になります。
①正しく足をつく
正しく足をつく為に踵の真ん中から突く意識をもってステップ運動を痛みがない範囲で行うといいでしょう。
その際踵の内側の組織が硬いと動きにくいので、アキレス腱~くるぶしの下までをあらかじめ圧迫&グリグリで柔らかくしておきます。
ステップ運動の正しいやり方はこちら→ステップエクササイズのやり方
②足の柔軟性の確保
足の後面全体が硬いと踏み込みが苦手になりますし、筋肉が硬いために反発が強くショックを吸収する事が出来ません。
また内ももが硬いと外側重心になりやすいため内転筋のストレッチも必要になります。
足の後面全体とは足裏・ふくらはぎ、ハムストリングス・殿筋です。
足裏:青竹ふみやマッサージボールの使用
ふくらはぎ:通常のアキレス腱ストレッチかタイガーテール
ハムストリングス:ジャックナイフストレッチやグリッドフォームローラー
殿筋:ストレッチ
内転筋:ストレッチや圧迫マッサージ
内転筋は横向きで下の足の内側を上の足の踵で圧迫する事でできます。結構痛いので適度に行いましょう。
疲労骨折治療の理想
疲労骨折は身体の使い方で生じるのはもちろんですが、プラスして運動量の増加など熱心に頑張っている選手に多いのも事実の1つです。
もちろん一番の理想は疲労骨折にならないことですが、次に大切な事はなった時に早期に発見する事です。
そこで大事な事は選手が自分から言える環境がある事です。
監督、コーチがみてわかればそれはもちろんいいことですが、実際一人一人の状態を把握する事は困難と言わざるを得ません。
ですので大切なのは自分から言える環境となります。
早期に発見でければパフォーマンスを下げることなく他の練習を行う事ができます。
疲労骨折が治りにくい理由
疲労骨折など一気に症状が悪くならないケガは休息などで一時的に痛みが取れてしまう事があります。
そうすると余計に本人としては言いにくいんですよね。
休めばある程度よくなるし、大丈夫かな?と
その為実際は少しずつ症状が進行する事で結果、長期的なケガとなってしまいます。
その他疲労骨折の注意点
下腿部など関節の近くは腫瘍の可能性を否定するために一度レントゲンなどの検査を受ける事をおすすめします。
その後その問題がなければ整骨院や鍼灸院などレントゲン施設がない治療施設で行ってもいいでしょう。
その他の疲労骨折について
その他の疲労骨折について、例えば跳躍型のスネの疲労骨折やランニングで多い、足の甲の疲労骨折についても下記のまとめからご覧いただけます。
よろしければ一緒にどうぞ
おわりに
疲労骨折は比較的多いスポーツ障害です。
理想は早期発見・早期治療です。もちろんならないのであればそれが一番いいのですが、経験的にそれは困難です。
多くの場合症状が進行してからの対応となります。
勇気を出して休む必要もある為、精神的にもストレスが多いようです。
もし疲労骨折やスポーツ障害でお悩みの方はお問い合わせよりご連絡ください。
可能な範囲でアドバイス等を行わせて頂きます。
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