膝蓋骨、膝のお皿の脱臼は他の脱臼と比べて比較的多いとされています。
また元に戻りやすいため、お皿がボコッとずれた感じがして焦った方はもしかしたら脱臼をしていたかもしれません。
今回はスポーツで生じるお皿の脱臼である膝蓋骨脱臼について書いていきたいと思います。
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膝の皿、膝蓋骨とは
膝蓋骨(しつがいこつ)は骨の分類では種子骨とされ、筋肉の力の伝達を助けたり、過度な摩擦を減らす目的で存在しています。
主に上下に大きく動き筋肉の動きを助けますが、左右にも動き骨の動きは大きいといえます。
学生をはじめスポーツをハードに行う人のスポーツ障害として有名な部分でもあります。
膝蓋骨に関するスポーツ障害はこちら
・ジャンパー膝:お皿の下(主に成人)
・シンディン・ラーセン・ヨハンセン病:お皿の下(主に学生)
・タナ障害:お皿の内側
膝蓋骨脱臼とは
膝蓋骨脱臼とは膝蓋骨が通常ある正しい場所からずれることを言います。
そのほとんどは外側に脱臼する事が多いです。
また脱臼はないけど、過度に動きすぎるものを膝蓋骨不安的症といいますが、これも稀といえます。
膝蓋骨の脱臼は一度すると繰り返し起こりやすく、リハビリをしっかり行う必要があるといえます(反復性脱臼)
膝蓋骨脱臼の原因
膝蓋骨脱臼は膝が外反している人に多いと言えます。
膝が外反しますと構造上膝蓋骨が外側に移動しますので、膝蓋骨の脱臼が多い外側へ移動する事で脱臼が多いとされています。
また運動時膝の外反+外旋+大腿四頭筋の急激な収縮で脱臼されます。内側は稀です。
他のリスクとして
関節が元々ゆるい、膝蓋骨高位、下腿の外旋、大腿骨の構造的な問題(生まれつき)が考えられます。
膝蓋骨脱臼の症状
膝内側部の痛み(膝蓋支帯、大腿四頭筋内側広筋)
膝関節の激痛
脱臼不安感テスト
膝蓋骨を外側へ誘導したまま膝を曲げていくと、脱臼するのでないかという不安感を患者が強く訴えます。
膝蓋骨脱臼の治療
膝蓋骨の脱臼は自然に元の位置に戻りやすいため整復動作が必要になる事は少ないと言えます。
しかし膝蓋骨を外側へ行かないように制限する内側膝蓋支帯が断裂し、内側広筋も部分的に損傷、そして稀に関節軟骨の損傷(骨軟骨骨折)も合併する事があるので、そちらの治療が必要になります。
半月板損傷や靭帯損傷と間違える事があるので注意が必要です。
軟骨骨折の骨片が大きい場合は手術を行う事がありますが、稀と言えます。
また他には反復性脱臼によりプレーに支障がでる場合は手術の検討も必要となるでしょう。
腫れが強い場合は吸引が必要となります。
治療後リハビリは必須となります。
整復動作
あくまで応急処置となりますので、積極的な整復は合併症の可能性もある為注意して下さい。
膝関節をゆっくり伸ばしていきながら、外側にある膝蓋骨を持ってゆっくり内側へ誘導していきます。
整復後は靭帯の治療や軟骨骨折のためレントゲン検査などを行う事が望ましいので整形外科へ通院しましょう。
治療は膝関節を伸展(伸ばした)したまま、3週間程度の固定が必要になります。
膝蓋骨脱臼のリハビリ
固定後の関節の硬さを元に戻すためにリハビリが必要となるほかに、再脱臼を防ぐためのリハビリが大切です。
関節の硬さをとるリハビリは治療施設で行ってもらえるかと思いますので、再脱臼を防ぐリハビリの方法を紹介したいと思います。
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①内側広筋の機能上昇
膝関節を伸ばしたまま膝の下にタオルを入れタオルを自分の力で押すことで大腿四頭筋のトレーニングになります。
その際内側広筋を押したり、タップしたりすることで内側広筋を活性化しましょう。
②外反膝の防止:股関節外転・外旋筋エクササイズ
内股は外反膝を誘発するので、内股の予防が必要です。
そのために股関節の外転筋と外旋筋の筋トレが必要なります。
具体的なやりかたは専用記事をご覧ください。
③外反膝の防止:足の小指荷重の訓練
偏平足や小指側への荷重が下手ですと外反膝になりやすいので、注意が必要です。
こちらも専用記事をご覧ください。
膝蓋骨脱臼のテーピングやサポーター
復帰したてやどうしても不安感がある場合はテーピングやサポーターを使うのも一つの方法です。
サポーターはお皿の可動性をある程度制限するタイプが望ましいと言えます。
下記を参考にして下さい。
サポーター
サポーターは当然膝蓋骨の動きを制限することが条件ですね。
下記のタイプがいいかもしれません。
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テーピング
テーピングに関しては膝蓋骨を外側へ行かない様にするテーピングが望ましいでしょう。
膝を伸ばしたままで
①50mmを縦に半分切り、切った方の端を膝蓋骨の外側から膝蓋骨を覆いながら内側へ向かって貼る
②膝の上、太ももの外側から膝蓋骨の内側の下まで膝蓋骨を内側に誘導しながら貼る(38mm)
③膝蓋骨の外側斜め下から膝蓋骨の内側斜め内側に向かって膝蓋骨を内側に誘導しながら貼る(38mm)
④膝蓋骨の内側斜め下から膝蓋骨の外側を回って内側斜め上まで膝蓋骨を内側に誘導しながら貼る(38mm)
膝蓋骨を内側に誘導するために軽くテンションをかけてもいいでしょう。
伸縮しないタイプのテーピングは固定力が強く安心感はありますが、動きにくいのが難点と言えます。
伸縮性テーピングは伸び縮みする為固定力は少し不安化もしれませんが、枚数を重ねる事である程度は対処する事ができます。
テーピングに関しては下記の記事にまとめてあります。是非ご覧ください。
おわりに
膝蓋骨脱臼は痛みが少ないことからリハビリをおこたりがちですが、油断すると再脱臼する事が多いため注意が必要です
リハビリ自体は家で出来る簡単なメニューもありますので、習慣づけて行う事が望ましいと言えます。
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