もも裏の筋肉の総称であるハムストリングスはその走行から膝と骨盤(股関節)に大きな影響を与えます。
ここの筋肉が柔軟性があるのか?伸びにくくなってしまっているのか?でスポーツでのパフォーマンスへの影響はもちろん、ケガの影響も大きく変わってきます。
やり方さえ覚えてしまえば自分でも行うことが出来るので、是非習慣として行ってみて下さいね。
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ハムストリングスが硬い問題点
↑ハムストリングの走行。お尻から膝裏
ハムストリングスが硬いとパフォーマンスが上がらなかったり、ケガの元と導入で解説しましたが、具体的はどのようなことが考えられるでしょうか?
それぞれみていきましょう。
ハムストリングスが硬いと起こるパフォーマンスの低下
ハムストリングスが硬いと骨盤の前傾位が取れなくなり、スポーツで大切なパワーポジションが取れなくなります。骨盤が立たなくなるわけですね。
その原因はハムストリングスは骨盤から膝に走っているため、この筋群が短縮していると骨盤と膝が近づく動きとなります。すると自然と骨盤が原因の猫背となるわけですね。
また伸張性が失われていると伸張位からの強い収縮が苦手になるので、クラウチングスタートやジャンプが苦手となります。
これについては動的なストレッチが必要となりますが、動きについては下で解説しています。
↓お尻がプリッと出たパワーポジションはスポーツをする上で大切
ハムストリングスが硬いと起こるケガ
ハムストリングスが硬いと起こるケガはいくつかありますが、問題となりやすいのはハムストリングスの肉離れと腰椎椎間板ヘルニアでしょう。
肉離れはコンディションが落ちている筋肉や柔軟性が少ない筋肉が急激に伸ばされると起こりやすいので、注意が必要です。
腰椎椎間板ヘルニアは骨盤が後傾することで合せて腰椎も丸まります。すると椎間板の負担が大きくなり起こりやすいです。
また骨盤の後傾は他にも様々な問題を起こします。具体的にはこちらを合せてチェックして下さい。
もちろん他にもありますが、ハムストリングスが問題で起こるスポーツでの問題は以上が代表でしょう。
ハムストリングスのストレッチのやり方
ハムストリングスのストレッチは伸張性(柔軟性)を目的とする静的ストレッチ(スタティックストレッチ)と動きを目的とする動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)があります。両方行うようにしましょう。
それぞれのストレッチのやり方を詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
→練習前には動的ストレッチ?静的ストレッチ?2つ違いと使い分け
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ハムストリングスの静的ストレッチのやりかた
ハムストリングスの静的ストレッチのやり方はいくつかありますが、一番簡単なのが台を使うやり方です。
台の上に片足の踵を乗せます。
この時軽く膝は曲げておいてよいでしょう。
そのまま少し前のめりになります。ポイントはお尻を後ろへ出す意識です。この時にお尻が出せないとしっかりとストレッチがかかりません。
そのままゆっくり膝を伸ばしていけばハムストリングスのストレッチとなります。お尻の位置は変えないように注意して下さいね。
またオヘソの向きを右、左、と変えることでもも裏も内側外側と伸びる位置が変わるので真ん中と併せて3方向行いましょう。
時間は60秒×4回で、3方向なのでさらに×3となります。
ハムストリングスの動的ストレッチ
ハムストリングスの動的ストレッチはジャックナイフストレッチをおすすめします。
しゃがんだ状態から足首をそれぞれ両手で持ち、膝を伸ばすと同時にお尻を上げます。
このときに膝は伸び切らなくてもいいですが、お尻はしっかり上へ上げましょう。
最初はおゆっくり数回行い、余裕が出てきたらリズムカルに行うといいですね。
ハムストリングスのストレッチが出来ない3つの理由
それでは具体的にはもも裏の筋肉の集団であるハムストリングスがうまくストレッチ出来ない理由について3つ解説していきます。ほとんどがこれらのどれかに当てはまるのでチェックしてみて下さいね。
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骨盤が後傾している
骨盤の後傾とは骨盤が後ろに倒れている状態で猫背になりやすい状態です。反対を前傾といい、反り腰の人に多いのが特徴です。
骨盤後傾についてはこちらでも解説しています。→[骨盤編]子供の猫背の治し方。骨盤後傾予防体操とストレッチ
ストレッチは基本的に筋肉と筋肉の距離が長くする必要がありますが、この状態だと筋肉の距離が伸びにくい場所ができてしまうのです。ストレッチをしても必ずしもバランスよく伸びるのでなく、伸びやすい場所・伸びにくい場所ができるわけですね。
ハムストリングスは主におしり(坐骨)〜膝についていますので、お尻が落ちていると筋肉が伸びにくいわけです。
特に膝はキチンと伸びてもおしり付近のハムストリングスは伸びにくい状態です。
ですのでハムストリングスにストレッチをきかせたいのであれば、ある程度胸を張ってお尻を付き出すイメージで行うといいでしょう。
角度が悪い
ハムストリングスは内側と外側にあります。
ストレッチの時に膝が同じ方向ばかり向いていると片方ばかりストレッチがかかりバランス良くストレッチはかかりません。
ですので膝の向きを変え、3方向それぞれ行うと効果があがるでしょう。
内側、真ん中、外側と行って下さいね。
持続的に行っていない
筋肉の長さを出すためのストレッチは持続的に行う必要があります。いわゆる静的ストレッチになりますが、60秒×5セットを目安に行うと効果的です。
短い時間では筋肉の伸張は出にくいわけです。
反対に6セット以上は筋肉の伸張の効果は特に1〜3回と比べるとそこまで出にくいので効果的ではありません。
ハムストリングスのストレッチについてのまとめ
ハムストリングスは柔軟性が少ないとパワーポジションが取れないためにパフォーマンスが上がらないばかりか、肉離れや腰椎椎間板ヘルニアなどの問題も出てきます。
逆にスポーツ障害やスポーツでのケガのリスクを下げるためにはハムストリングスの柔軟性はとても重要となります。
お尻をしっかり出して、角度をかけて、持続的に行いましょう。
以上がハムストリングスのストレッチがあまりきかない人が行うといい3つのポイントとなります。