北海道日本ハムファイターズの杉内拳士選手が有鈎骨を骨折し戦線を離脱しました。
今回はその有鈎骨骨折についてわかり易く解説をしていきたいと思います。
有鈎骨とは?場所の確認
有鈎骨とは手首にある骨の1つで外側にあります。
自分でも画像の○の部分を押すと骨の出っ張りを確認する事が出来るかと思います。
有鈎骨は細い出っ張りがある為、力の働き方によってはこの細い部分が折れてしまいます。
有鈎骨が骨折する原因
有鈎骨が骨折する原因は大きく分けて2つあります。
急性の外傷によるもの
転倒時、ピンポイントで有鈎骨部を突いてしまうなど、硬く、強い外力が直接働くもの。
グリップが有鈎骨に当たった状態での強い衝撃
繰り返しによる疲労骨折
グリップ競技、つまり野球やテニスに多い疲労骨折と言えます。
繰り返し、グリップが有鈎骨に当たり、疲労骨折します。
有鈎骨骨折の治療
折れる部分の多くが小さいかけらの為、骨の癒合が見込みにくい場所と言えます。
また靭帯や筋肉が付着する為、それらに引っ張られる事で不安定な部分となります。
上記の理由から固定などの保存療法よりも骨片、つまり骨のかけらを取り除く手術をします。
手術自体は神経や筋肉を傷つけないように行えば、極端に難しい手術とはならないでしょう。
手術後は痛みのコントロールと安静を図る為、1.2週間程の固定を行いますが、痛みがないようでしたら段階的にリハビリも行います。
有鈎骨骨折のリハビリ
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痛みにコントロールや炎症などの腫れ具合を考慮し少しずつリハビリを行います。
基本的には患部に圧力がかからないようにすれば、通常のメニューを行えますが、基本的にはランメニューからになるでしょう。
また段階的に握力やグリップ系のリハビリも加わります。
有鈎骨骨折の後遺症
有鈎骨は筋肉や屈筋支帯という手首や筋肉を安定させる靭帯用の組織が付着します。
このことより手関節の不安定感、握力の低下が考えられます。
しかし筋肉や靭帯の付着部は個人により微妙に異なる為、必ずしもそうなるとは限りません。
しかり練習の復帰時、特に最初のバッティング時などは響いて痛みを感じるかもしれませんね。
有鈎骨に関与する筋肉・靭帯
これはすでに触れていますが、個人により筋肉がずれてついたりしますので、100%の人が当てはまるとは言えません。
ですから教科書的な案内になります。
短小指屈筋
小指を曲げる筋肉になります。
小指対立筋
対立とは字のごとく対するという事ですが、何に対するかと言いますと親指と対します。
つまり小指対立筋は親指の方へ小指側を向ける筋肉となります。
屈筋支帯(横手根靭帯)
屈筋支帯は手根管という神経や筋肉の通る管の蓋の働きをします。
有鈎骨に付着する為、手術により付着部が取り除かれると緩みやすくなるという心配ではありますが、詳しいデータがなかったので定かではありません。
出来れば手術時にうまく違う部分に癒合させることが出来ればいいでしょう。
小指は一見弱く、あまり働かない部分だと勘違いされますが、薬指と協力し物を握るという大事な役割があります。
現に小指を抜いた4本で握るのと、5本全てで握るのはどちらが力が入れやすいかやってみるとよいでしょう。
小指の力を甘く見てはいけませんね。
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なぜ日ハム杉谷選手は折れたのか
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これは上記の様に外傷性の骨折と疲労骨折との両面で考えられますが、ニュースの記事やペナント序盤であることを考慮しまして、外傷性の骨折かと思います。
Yahooニュースより引用
日本ハムは14日、杉谷拳士内野手が20日に都内の病院で右手有鈎骨の骨片除去手術を受けると発表した。10日の楽天戦で負傷し途中交代。都内の病院で再検査を受けた結果、右手有鈎骨骨折と診断された。復帰時期は未定。
10日のと限定されていますしね。
また右手と言う事でグリップエンドに近い方、つまり右手が下になる方ですので左打席の時に受傷した可能性が高いですね。杉谷選手は両打ちとの事で、可能性は高そうです。
復帰は20日に骨片除去。
5月上旬まで固定し少しずつリハビリもしますが、バッティング時の衝撃は簡単に取れないかと思います。
交流戦は厳しいそうでうすかね。
早ければオールスター前ですが、きりもいいのでオールスター明けと予想します。
あくまで予想でお願いします(汗
おわりに
有鈎骨骨折は疲労骨折にしてもスネ(脛骨)などの下肢と比べると比較的頻度は低いと言えるでしょう。
しかしグリップ競技の選手は手首の近くの小指側に痛みを感じる事がある場合、グリップが当たって、疲労骨折に繋がる可能性がありますので注意が必要ですね。
以上で「グリップエンドで骨折?手首の骨の有鈎骨骨折の治療と解説」を終わりにします。
最後まで見て下さり、ありがとうございました。
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