足関節の捻挫の1つに脛腓靭帯損傷があります。
脛腓靭帯は脛腓関節を補強する靭帯ですが、足関節捻挫でしばしば痛める靭帯になります。
今回はその脛腓靭帯損傷についての解説ページです。
効果が高いテーピング方法も紹介してありますので是非ご覧ください。
鑑別として靭帯損傷ではなく骨折している場合もあるので、チェックポイントも一緒にどうぞ。
脛腓関節、脛腓靭帯とは
脛腓関節は下腿部(膝~足首までの部分)に二か所ありますが今回は足関節に近い方、遠位脛腓関節の解説になります。
遠位脛腓関節を補強する靭帯は前後ありますが、通常は前面の靭帯を損傷する事が多く、今回の内容も前面の前脛腓靭帯について書いてあります。
通常そこまで過度に動く関節ではありませんが、下腿部のねじれに作用する関節となります。
脛骨、腓骨、距骨で足関節が構成されますが、この関節を補強する靭帯で、結合が強い、つまり強力な靭帯となります。
脛腓靭帯損傷と気を付ける点
脛腓靭帯が足首の捻挫により通常の補強範囲を超えて伸ばされ損傷します。
単独で受傷する事もありますが、多くは前距腓靭帯と同時に損傷します。
脛腓靭帯は脛骨と腓骨と距骨という骨で構成される足首の関節を補強する靭帯ですが、この靭帯は足を踏み込む際に伸ばされ、ストレスを受けます。
これは距骨という骨の構造によるものです。
脛腓靭帯と距骨との関係
距骨は上から見ると後ろが狭くなるような台形をしています。
足を踏み込む際に台形の広い方が滑ってはまり込む事で、脛腓関節が広がる、つまりストレスを受ける事になるわけですね。
これを理解しているかどうかで脛腓靭帯損傷は治り方が変わってきます。
脛腓靭帯損傷の原因
通常の捻挫と同様、足関節を捻った際に受傷します。
通常の足関節の捻挫は斜め前方に捻り、前距腓靭帯という靭帯を損傷する事が多いですが、脛腓靭帯損傷は比較的真横に捻り、脛腓関節が横に開かれた状態で損傷する事が多いと言えます。
脛腓靭帯損傷の症状
脛腓靭帯部の圧痛
荷重痛
足関節の最大背屈痛、底屈痛
脛腓靭帯損傷の治療
通常の捻挫同様、RICEを行います。
ただし注意点として間違った固定方法を行うと治りにくい場合がありますので、下記の固定/テーピングを参考にして下さい。
子どもによっては靭帯に引っ張られ、靭帯の付着部が部分的に骨折する事がありますので注意が必要です。
鑑別をしっかりしましょう。また、判断が難しいと思ったら治療機関へ行きましょう。
脛腓靭帯損傷と骨折との鑑別
子どもの場合、捻挫により靭帯が過度に引っ張られる事で、骨が牽引され剥がれてしまう事があります。
今回はその判断方法のポイントを2つ掲載します。
骨が近い靭帯の痛みの場合、骨折かどうかの判断は迷うところですが、捻挫と大きく違う点ですので要チェックです。
脛腓靭帯損傷と骨折の判断ポイント1
まずは介達痛をチェックします。
患部以外から患部を刺激する事で痛みをみるという方法になります。
介達痛は捻挫で出にくい痛みですので、他の部位でも判断の1つのポイントとなります。
やり方は足首の内側と外側を手の平で圧迫します。
その際患部に手が当たらないように気を付けましょう。
そのまま両側から軽く圧迫し、痛みがあるか確認します。圧迫しながら軽くゆするのも一つの方法です。
この時脛腓関節部に痛みがある場合骨折が疑われます。
脛腓靭帯損傷と骨折の判断ポイント2
2つ目の方法はタップペインといい、痛めている部分に関連する骨を軽く叩くことで患部に痛みが響くか確認します。
脛腓関節部の骨折が疑われる場合、足首の内側と外側よい指先でトントンとタップします。
その際脛腓靭帯部に痛みがある場合骨折が疑われます。
ただし症状が強い場合、介達痛なのが症状が強い痛み(自発痛)なのかわからない事があるので注意が必要です。
脛腓靭帯損傷で気を付ける点とリハビリ方法
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一週間ほどは過度な背屈、つまり踏み込む動作をしない方がよいでしょう。
背屈防止の為に固定をする必要がありますが、それに関しては下記をご覧ください。
踏み込む動作をすると脛腓靭帯が伸ばされる為、治ゆまでに時間がかかります。
一週間を目安に痛みを確認しながら少しずつ踏み込む動作をしましょう。
踏み込む動作の確認として下記を参考にして下さい。
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その後段階的に段差を使った踏み込み動作や円盤を使った片足立ちエクササイズをしましょう。
ケガの程度によりますが、
一週間は運動中止。上半身のみの運動はOKです
二週間までは痛みを見ながらステップエクササイズを
三週間までは競技動作に合わせたステップを行います。
野球であればキャッチボールでのステップ、バスケであればフットワークのサイドステップなどです。その際、それらの動きで痛みが出ないようでしたら徐々に復帰しましょう。
また足首の捻挫は足首の感覚が弱くなり癖になりやすいため、クッション性の高い円盤などで片足立ちすることで足首の感覚を養いましょう。
2~3週を目安に少しずつやっていきましょう。
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脛腓靭帯損傷の固定、テーピング方法
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脛腓靭帯損傷は上記の脛腓靭帯損傷と気を付ける点にも書かれているよう背屈(踏み込む動作)時に伸張されるストレスがかかります。
また前述通り前距腓靭帯も同時に損傷する事が多いため、固定が難しいことが多々あります。
(前距腓靭帯は足関節を背屈で固定する事が必要になる為)
背屈位で固定したいけど、よく合併するケガの靭帯の固定には良くない。
そこで今回はそのバランスと取った脛腓靭帯損傷のテーピング固定方法を紹介します。
まずテーピングに関しては伸縮性のないホワイトテープを使います。
今回はニトリートのCBテープを使用しています。
伸縮性のあるタイプですとあまり効果はないです。
アンダーラップを足首周りに巻きましてアンカーテープを貼ります。
この際足首から少し長めにとりましょう。
ここからがポイントですが、アンカーから足首のくるぶしのまで一枚一枚圧迫を意識してテーピングを貼りましょう。
4~5枚ほどでしょうか。この圧迫により脛腓靭帯が伸ばされるストレスを軽減させます。
あとは過度に足首の背屈するテープを行わないで、フィギュアエイトなどを行いましょう。
フィギュアエイトがホワイトテープで難しい場合は伸縮性のテーピングでもよいでしょう
もちろんテーピングや固定をしたからと言って、過度に踏み込む動作を行うと治りを遅くしますのでしないようにして下さい。
症状が強く、硬い固定具を使う際も背屈を抑制するのではなく、脛骨と腓骨を圧迫することをメインに考えればよいでしょう。
テーピング後は一度起立してもらい締まりが強くなりすぎてないか確認しましょう。あまり強すぎる場合は貼りなおした方がいいですね。
今回使用したテープは38mmのホワイトテープです。
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管理人はアンダーラップに関しては特にこだわりはありませんが、ニトリートが無難でしょう。
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テーピングの種類に関しては下記をご覧ください。
キネシオに特化したページはこちら
おわりに
いかがでしたでしょうか。
脛腓靭帯損傷は距骨の形状を理解する事とそれに合わせて固定をする事で治るスピードが変わるという内容でした。
これを理解しないで通常通り固定をしますと治りが遅くなります。
みなさんも脛腓靭帯損傷には気を付けましょう。
以上で「脛腓靭帯損傷について:足関節の捻挫で前側を痛めた場合の効果的なテーピング」を終わりにします。
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