手首の関節のスポーツ障害にTFCC損傷があるという事は以前の記事で解説しました。
今回はTFCC損傷を招くリスクの1つである尺骨突き上げ症候群について解説していきます。
<関連>
「三角繊維軟骨複合体(TFCC)損傷の治療方法やテーピング」
プラスバリアントとは
プラスバリアントとはどのような事を指すのでしょうか?
バリアントとは簡単に言うと、本体と比べての状態をさします。
つまり尺骨のプラスバリアントとは元の手首の関節面に対して尺骨が長くなっている事を指します。
他の多くの説明では橈骨に対しての尺骨の長さの事を言っていますが、基本的には同じことです。
逆はほとんどありませんが、マイナスバリアントとなるわけですね。
ほとんどの人の関節面は長い・短いという状態ではなく、ナチュラルバリアントと言います。
尺骨突き上げ症候群とは
尺骨突き上げ症候群とはプラスバリアント同様、尺骨が通常の手首の関節面より長くなる状態ですが、その際に痛み等の症状がでる事を指します。
プラスバリアントは状態。尺骨突き上げ症候群はそれに伴い痛みが出るケガ(症候群)を指します。
尺骨突き上げ症候群の原因
尺骨突き上げ症候群の原因の多くは手首の骨折の後遺症として発症します。
後遺症と言いましても、骨折した全員がなるわけではありません。
変形治癒(きちんとくっつかず治る事)などが生じると起こりやすいと言えます。
稀に生まれつき短い方もいますが、圧倒的に多いのは怪我の後遺症によるものです。
尺骨突き上げ症候群の症状
手首を動かす時、主に回内・回外という捻じる動作で痛みが出やすいと言えます。
画像で言うと右が回内、真ん中が回外、左が中間位です。基本的には手の平の向きで考えればよいでしょう。
具体的な日常の動作ですと、ペットボトルのキャップを開ける時や、雑巾を絞るときなどがそうですね。
他には手を着いて立つ動作で痛みがやすいと言えます。
またスポーツでもラケット競技や野球、バスケなど幅広い競技で支障がでます。
尺骨突き上げ症候群の検査方法と通院機関
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画像診断、主にレントゲンで手首を撮影すれば確認できます。
実際は触診しテストを行えば判断できますが、手術の可能性も考慮にいれて、レントゲン撮影ができる整形外科をおすすめします。
その後手術を選択しなかった場合は、かかりつけの治療機関へ戻るのもよいでしょう。
尺骨突き上げ症候群の治療方法
これはスポーツをするか通常の生活を送るかで選択肢が変わります。
スポーツをする場合
競技内容によりますが、基本的に手術を考えます。
サポーターなどの固定ではスポーツでの負荷に耐えられない為です。
スポーツをしない場合
症状が強い場合はシップなどの消炎鎮痛剤を使い、テーピングやサポーターなどで固定し安静を図ります。
一時的に痛みはとれるかと思います。しかしその後も頻繁に痛みが出て日常生活に支障がある場合は手術を考慮しましょう。
手術について
尺骨突き上げ症候群の手術は手関節部で長くなっている尺骨を短く切り長さを調節します。
関節面を整え金具で固定します。
また他に変形などがある場合、それを整える手術もします。
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尺骨突き上げ症候群のサポーター
サポーターを付けることで痛みの調節になることもあります。
症状に合わせて使い分けるのがポイントですかね。
しっかりめ/症状が強い場合
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日常生活をカバー/症状が落ち着いてきた場合
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しかしサポーターはあくまで一時的なカバーぐらいに考えましょう。
サポーターは一時的に症状は緩和することもありますが、つけたままの練習には限界がありますのでご注意ください。
おわりに
尺骨突き上げ症候群は他のスポーツ障害同様、本人の生活習慣により治療方法が異なる疾患と言えます。
個人的には将来的にもスポーツをハードに行うのであれば、早く手術・リハビリを行うことが良いかと思います。
痛みを我慢しながらの練習は上達しないですからね。
不安であればセカンドオピニオンなども考慮しましょう。
以上で「手首の外側の出っぱり、尺骨突き上げ症候群とプラスバリアントとは」を終わりにします。
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