キック競技で股関節の前に激痛が走ったり長い間痛みが続く場合、骨盤の骨折が疑われます。
心当たりがある方や子供が痛がっている場合は、痛みが出やすい場所や治療などをチェックし医療機関へ行きましょう。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
下前腸骨棘とは
今回は骨盤の骨折の1つである下前腸骨棘の裂離骨折を説明するにあたり、そもそも下前腸骨棘って?の説明したいと思います。
知っているって方は飛ばして下さい。
下前腸骨棘は骨盤の一部で画像にあるように前にある骨のでっぱりの部分になります。
棘(きょく)はとがっている出っ張りを指しますが、実際その通りで出っ張っています。これは筋肉がつくためです。
ここにつく筋肉は大腿四頭筋の中でも重要な大腿直筋と呼ばれる筋肉となります。
下前腸骨棘裂離骨折とは
下前腸骨棘は上記で説明した通りですが、裂離骨折とはなんでしょうか?
裂離骨折とは主に筋肉などに骨が引っ張られ離れて骨折するものを言います。
この場合は下前腸骨棘にくっつく大腿直筋の影響が強いというわけです。
また似た部分に上前腸骨棘裂離骨折があり、それぞれ近い部分ですが対応は同じになりますので安心して下さい。
下前腸骨棘裂離骨折の原因
下前腸骨棘裂離骨折の原因は、ここに付着する大腿直筋がキックなどの急激な収縮をする事で骨が引っ張られ折れてしまします。
ただし通常、成人では起こりません。
子どもに多いのはこの部分は骨が完全に硬化する前(主に骨端核と呼ばれている)で柔らかいためです。
つまり骨が完全になる中高生(12~16歳)に多いスポーツ障害と言えますね。
↑下前腸骨棘の骨折はキック時に多い
下前腸骨棘裂離骨折の症状
キックなどの瞬発的な動きで強い痛みがあります。
裂離骨折をした部分に押しての痛み、圧痛や筋肉を収縮させると痛みがでます。
筋肉の収縮の痛みをチェックする方法は、足を後ろに引き膝を曲げた状態から、膝を前へ伸ばす様に言います。
この時に膝を伸ばしにくい様に押される事で痛みが出ます。
下前腸骨棘裂離骨折の診断・治療
スポンサーリンク
スポンサーリンク
骨折になりますので、レントゲン検査などを行う事で簡単に診断がつきます。
また圧痛を見る事である程度予想する事が出来ます。骨に限局した圧痛を確認できます。
治療は一般的に2~3週間の安静でよいとされており、骨のずれが大きいものでも手術は必要なく、機能的な問題は出ないとされています。
安静でいいと言っても下半身を使わないトレーニングなどはできます。
ただし通常の腹筋は骨盤も使うのでおすすめしません。
ビジョントレーニングやメンタル的なこと、戦術的なことを学ぶのもいいでしょう。
また可動域を広げる為に体幹・上半身のストレッチなど普段疎かにしているところを補う事で大きな遅れはなくなります。
復帰後は再発しない様に大腿直筋のケアを怠らない様にしましょう。
自分でできるケア方法はタイガーテールでのゴロゴロや大腿四頭筋のストレッチです。
おわりに
成長が終わる前の骨はもろく、成人してくっつくところが特に弱点となります。
今回の下前腸骨棘だけでなく、オスグッドシュラッター病で有名な膝もそうですし、踵のセーバー病も同様の問題となります。
予後もよいことから、発見した場合無理に部活を行わないで、上記に説明した他のメニューを行う事をおすすめします。
スポンサーリンク
スポンサーリンク