腰椎から骨盤を通り、大腿部の骨に付着する需要な筋肉は腸腰筋(ちょうようきん)と呼ばれ、様々な場面で重要視されています。
この筋はスポーツをしている選手に炎症を起こすことが多く、太ももを前から上げる動作をするときに痛みが出たらこの筋肉が原因かもしれません。
今回はその腸腰筋の炎症、腸腰筋炎についてご覧ください。
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腸腰筋、腸腰筋炎とは
大腰筋と腸骨筋を合させたものを腸腰筋と呼び、腰の前面から骨盤・股関節の前面を通り、大腿骨の上の方につきます。
機能としては股関節を前から曲げる、股関節を外側に開く、腰を反らせるの3つが有名です。また姿勢をキープする際にも使われるとされています。
この腸腰筋が下記の原因により一時的に炎症を起こすのを腸腰筋炎と言います。
日常生活でも痛みが出る事があり、腸腰筋はスポーツでも大切な筋肉なので痛みがある間は無理に運動をしないで炎症が治まるまで負担のかからないトレーニングをすることをおすすめします。
腸腰筋炎の症状
腸腰筋炎の症状は「股関節を前から曲げる動作」「足を後ろに引いた状態から前へ出す動作」の2つがメインの症状です。
また骨盤の前の部分で押しての痛みがあります。
重症化すると炎症が広まり、小さい段差をまたぐことが出来ないぐらい痛みが出ることもあるので、早期に対応するのが望ましいでしょう。
腸腰筋炎の原因
原因として多いのは足を後ろに引いた状態から前へ急激に出す動作です。
この時に腸腰筋の柔軟性やコンディションが低下しているとケガとなるリスクは高くなります。
猫背のガニ股などは注意したい姿勢ですね。
またもも上げを過度に繰り返すオーバーユースでも痛みが出るリスクとなります。
腸腰筋炎の治療について
基本的に痛みが出ている間は無理をしないで安静にした方が治りは早いです。ですので治療としては安静。また電気治療で痛みへのアプローチをしてもいいでしょう。
シップも骨盤の前に行ってもいいのですが、敏感な部分なので注意して下さい。
日常生活の過ごし方も大切なポイントです。
足を前から上げる際に足を開いてあげる時に痛いのか、閉じて上げるのが痛いのかを確認させ痛みが少ない方で使うように意識しましょう。
腸腰筋炎のリハビリについて
ある程度症状が落ち着いたらリハビリとして腸腰筋の機能を改善しましょう。
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ストレッチで柔軟性確保
↑更に踏み込むとストレッチがかかる
普段から柔軟性が少なかったり、コンディションが下がっていると痛みが出やすいので、改善するためにストレッチのリハビリをする必要があります。
やり方は大腿四頭筋のストレッチと同じですが、膝をつく位置を少し遠くにすることで股関節の前が伸張されやすいです。
ただストレッチをして伸びてる感以上に痛みがある場合は無理をしないで、軽めに行いましょう。
骨盤のエクササイズ
腸腰筋は骨盤をまたぐので骨盤の動きもポイントとなります。また骨盤の動きは腰と股関節と強く関係するので重要ですね。
骨盤のエクササイズについてはこちらをご覧ください。
→[骨盤編]子供の猫背の治し方。骨盤後傾予防体操とストレッチ
自分でするセルフケア
これは少し複雑な話になりますが、腸腰筋は後脛骨筋と呼ばれる筋肉と関係しているので、腸腰筋に問題がある選手は後脛骨筋に痛みがあるケースが多いです。
腸腰筋に痛みが強い時に患部を無理に触ると痛みが強くなるケースがあるので、後脛骨筋を緩めることで間接的な治療となります。
やり方は簡単ですが、後脛骨筋を見つけるのが大変です。
スネの内側の真ん中から下へ向かって骨のキワを狙ってグーと指を入れましょう。
そのまま指をずらしながら足首を動かして痛みがあるとこが後脛骨筋の可能性が高いのでそこを持続的に圧迫を加えます。
また圧迫しながら少し揺らしたり、足首を上下に動かしてももいいかもしれません。15秒ぐらいを3回程繰り返しましょう。
↑プロでも探すのが難しい後脛骨筋。
(画像が切れてしまっていてすみません)
腸腰筋炎のテーピング方法
腸腰筋のテーピングはおへその斜め下から骨盤・股関節を通り、大腿部の上まで貼ります。
ここに貼る事で股関節を前から上げる動作をサポートするので、腸腰筋の痛みのサポートとなります。
貼る時は横向きで軽く足を後ろに引いた姿勢から、貼るとサポートはしっかり目にできるのでお試しください。当然ですがテンションをかけ過ぎて皮ふがかぶれてしまってはいけませんので、引っ張り過ぎには注意です。
かぶれにくいテーピングや選び方に迷ったらこちら
選手が選んだテーピングランキングはこちら
→キネシオテーピングの比較・ランキング|選手が実際に使った感想
腸腰筋炎がひどくなった場合
腸腰筋炎の症状がひどくなった場合は歩くのでされ痛みが強く、困難です。
その時は無理に出歩かず、家で休んでいた方が無難でしょう。
だいたい2日前後で痛みはあるものの歩行は可能です。運動開始はそこから1週間を目安として下さい。
場合によっては病院でMRIなどの検査をしますが、撮影までに期間があると炎症反応が治まり確認しにくいこともあるので、なんともいえません。ちなみにレントゲンではわかりにくいです。
また何度も繰り返す場合は関節唇損傷や恥骨滑液包炎と言った別の疾患が隠れていることがあるので、検査を受けましょう。
腸腰筋は恥骨(骨盤の一部)の前を通りますが、そこは少し前に出ていて骨と擦れやすくなっています。このように骨と筋肉が擦れやすい場所にはクッション材として滑液包と呼ばれるものがあります。
この滑液包に炎症が広まると痛みが強くでますし、何度も繰り返すと滑液包が肥大し、より炎症が起こりやすくなります。
おわりに
以上で腸腰筋炎の解説は終わりになります。
腸腰筋の問題は意外と少なくなく、それなりの頻度でみます。
場合によっては炎症が広まり段差がまたげないぐらいの強い痛みになることもあるので、初期段階で無理をしないようにしましょう。
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