練習がハードであったり必要以上に足の指を使う選手は足の指の上側の皮がめくれ、タコになって痛みを生じたりすることで、満足に走ることができなくなることがあります。
その原因はいつの間にか指が曲がっている事ですが、では指が曲がってしまった原因は?
浮き指は足の指の皮だけでなく、全身へ悪影響となります。
それでは浮き指、槌状足趾症について説明していきたいと思います。
【槌状足趾症とは】
槌状足趾症(つちじょうそくししょう)とは足の指が屈曲位(曲がった状態)で固定され、足の指の上側や先端が靴で擦れる事により痛みが出る運動障害です。
多いのは第2、3趾で指の形として上に折れ曲がった形になります。
みなさんは浮き指と言った方がわかりやすいでしょうか。
原因をみていきましょう。
【槌状足趾症の原因】
槌状足趾症の原因はいくつかあります。
・サイズが小さい靴を履く事で、靴の中で足が曲がってしまう。
・筋肉のアンバランス。過度な緊張、柔軟性低下(オーバーワーク)
・直接のケガ
・指の長さによる遺伝(1本だけ長い場合、靴の中で圧迫されやすい)
・内科疾患
今回は内科疾患・外傷以外の内容となります。
【槌状足趾症の症状】
局所的な症状から全身的な症状まで幅広くあります。
局所症状:指が折れ曲がる事により靴と皮が擦れて運動時痛い。
足にタコができやすい。
全身症状:局所症状が進行する事で全身に悪影響がでます。
痛みを避けようとしてフォームが崩れる。そのため必要以上に筋肉が緊張してケガ原因に。
指が地面との接地がうまくできなくなり、足の機能低下。
足の機能低下は全身に悪影響がでます。
基本的に指が曲がった状態で固定されますので、指を反らせる動きが下手になり、走る時に知らず知らずのうちに支障がでます。
【槌状足趾症の治療について(手術/保存)】
治療には大きく分けて2つあります。
他のスポーツ障害でもそうですが、手術をするか・しないかです。
それぞれご覧ください。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
手術療法
足の形が変形の原因の筋肉や関節を覆っている組織を切る事で改善を試みる。
短縮した筋肉などに合わせる為に骨を短く切る。
進行状況によっては両方行ったりすることもあるようですが、スポーツ選手の場合は保存療法が前提になるでしょう。
なぜなら足の指の動きが悪くなったり不快感などの後遺症が起こる事がある為です。
スポーツ選手にとって足の違和感は重大な問題ですからね。
保存療法
保存療法はリハビリを前提とした治療が必要となります。
まずは患部の負担を減らす為に、靴があっているかの確認です。切り返しなどで過度に当たる場合、新調するすることを考慮しましょう。
同時に患部の負担を減らす為に下記にある簡単な対策をご覧ください。
そしてリハビリも同様に行う必要があります。
【槌状足趾症の6つのリハビリ方法】
指の変形には原因にもありますように筋肉のアンバランス。過度な緊張、柔軟性低下が関連します。
指は曲げる筋肉と反らせる筋肉がありますが、これらが過度に緊張しバランスを崩すと次第に変形し痛みとなってしまいます。
関連する筋肉のコンディションを整える事で変形・痛みの改善を目指します。
どのやり方も最初に土踏まずを緩めてから行いましょう。
青竹ふみやマッサージボールで足裏を全体的にグリグリやっておきましょう。
鉄人倶楽部(IRONMAN・CLUB) 健康 足踏み KW-887 新品価格 |
TP Massage BALL マッサージボール(並行輸入品) 新品価格 |
それぞれのやり方の基本はゆっくり圧迫&関節を動かすです。
ポイントなるので意識して下さい。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1.短趾屈筋
短趾屈筋は名前の通り足の指を曲げる短い筋肉になります。
踵から足の指の先近くまで走っている筋肉です。親指は別の筋肉なので4本になります。
アプローチのやり方として足の指を反らせたまま短趾屈筋を圧迫します(画像では指が反っていません)。
難しければ圧迫してから反対の手で筋肉がついている指を動かして下さい。
そのまま踵へ向かって圧迫を繰り返します。
圧迫時間は5秒程持続的に行いましょう。
可能であれば圧迫の終わりに踵方面へ圧迫しながらグーと指をスライドさせるといいですね。
槌指症の指だけでなく4本全て行います。一本の筋肉に対して5回の圧迫を3回程行いましょう。
指での圧迫が難しければ圧迫する道具を使ってもいいですが、道具を使う場合は過度な圧迫には気を付けましょう。
新品価格 |
2.短趾伸筋
短趾伸筋も名前の通り足の指を伸ばす(反らせる)短い筋肉で3本あります。
外くるぶしのやや前からそれぞれの指の上側にくっつきます。
アプローチのやり方は短趾屈筋と同様に伸ばす動きと持続的な圧迫です。
しかし今回は少し異なり圧迫してから動かしましょう。
ちなみにこの筋肉が伸びる動作は指を曲げる動きになります。
筋肉に対しグーと圧迫しそのまま自分の意志で曲げ伸ばしを行うか、難しければ反対の手で行いましょう。
それぞれの筋肉に対し5回の圧迫を3回程行います。
3.腱、腱鞘、関節包
腱は筋肉が骨につく部分、腱鞘は腱を覆っている組織、関節包は関節を覆っている組織になります。
これらが足の指の裏側で硬くなったままですとよくないので、これらにもアプローチします。
○の部分をそれぞれ圧迫しながら反対の手で足の指を曲げ伸ばししましょう。
これは変形している指だけでも構いませんが、欲を言えばすべての指を行った方がいいかもしれませんね。
これも同様の回数行います。
4.長趾屈筋
長趾屈筋は下腿部から足の指先の骨まで走行する筋肉になります。
この筋肉は強いため是非行って下さい。
足の内側の膝と足首の中間あたりに指をあてじっくりと圧迫していきましょう。
5秒程圧迫したら足の指をグーパーしましょう。
圧迫した指が動きを感じれば正確に圧迫できています。
これを内くるぶしの上6㎝ぐらいまで指をずらしながら行います。
回数は5回程じっくり行えばいいですね。
痛いので無理に強く行わず、ゆっくり行いましょう。
5.長趾伸筋
最後は長趾伸筋です。この筋肉はスネの斜め外側に位置する筋肉になります。
膝と足首の中間よりやや上から同様に指を使って持続的な圧迫を行いましょう。
5秒程圧迫したら今度は指を反らせるように動かします。
その際圧迫した指の下で筋肉が動いた感じがすれば完璧です。
少しずつ下に下がっていき外くるぶしの7㎝上ぐらいまで行います。
回数は同様に5回程しましょう。
ゆっくり圧迫しながら指を動かすのがポイントです。
腓骨筋と前脛骨筋と間違わないで行って下さい。2つの筋肉の間にあります。
6.真っすぐ反らせてみる:ストレッチ
曲がった指を真っすぐにしたまま、ゆびの付け根から反らせてます。
指の裏から足裏に突っ張るような伸びるようなストレッチ感がかかるとバッチグーです。
以上の6つが槌状足趾に関連する大事なリハビリになりますので、出来るだけ毎日行いましょう。
槌状足趾症でなくても足のケアになりますので行ってもいいですね。
【槌状足趾症の簡単な対策】
スポンサーリンク
スポンサーリンク
患部が当たって痛い場合に患部があたらないように覆う必要があります。
ガーゼを患部に当て直接保護材がつかないようにします。
その上からテーピングを巻くことで擦れる事を防止します。
テーピングやコーバンがいいですね。
これで擦れての痛みは軽減されるでしょう。
肌が強い人はテーピング、弱い人はコーバンがよいでしょう。
また、靴擦れ用のパッドを使うのも1つの方法ですね。
ドクターショール 靴ずれ・まめ保護ジェルパッド 指用 5枚入 新品価格 |
【槌状足趾症の早期発見のポイント】
早期発見のポイントとしてこまめに足の指を見ましょう。
第2.3趾の上側の皮が他の指よりめくれてきたら注意が必要かもしれません。
足部のケアをしっかり行いましょう。
【注意点】
毎日きちんとリハビリ・ケアをしても変わらない場合、原因が筋肉でない可能性もありますので、一度医療機関の受診をおすすめします。
【おわりに】
繰り返しになりますが、足の問題は足だけの問題ではありません。
痛みが継続する場合、間違いなく全身に影響がでます。
痛みの箇所は小さくても問題は大きいと認識しましょう。
日々のケアを大事にしましょうね。
今回は下記の本を参考にさせて頂きました。
ビジュアルで学ぶ 筋膜リリーステクニックVol.1 -肩、骨盤、下肢・足部- 新品価格 |
以上で「走る時に足の指が痛い槌状足趾症とは。浮指の簡単な対策と治し方」を終わりにします。