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突き指の中にマレットフィンガーと呼ばれる特殊なケガがあります。

この疾患は後遺症を残すパターンがありますので、要チェックです。

また現実的に他の突き指と比べ治りにくい割に固定期間が長く、見極める目が必要になります。

 

医療従事者は正確なインフォームドコンセントが、患者側は話をよく聞き理解することが後々双方の認識の差を防ぎますので、きちんと話しましょう。

 

ではご覧ください。

 

 

【マレットフィンガーとは】

指の関節

指の関節

大きな分類では突き指の一種ですが、細かく言いますと指のDIP関節の伸筋腱の損傷または伸筋腱付着部の骨折の事をマレットフィンガーと呼びます。

(DIP関節とは爪に近い方の指の関節を指します)

 

マレットフィンガーは主に3つに分類されます。

 

Ⅰ型:伸筋腱の損傷

Ⅱ型:伸筋腱付着部の骨折

Ⅲ型:伸筋腱付着部の骨折と亜脱臼の合併

 

それぞれ固定期間や対応が変わります。

マレットフィンガーⅢ度

マレットフィンガーⅢ型

↑マレットフィンガーのⅢ型は関節の脱臼もともなう

 

【マレットフィンガーの原因】

主に指先が長軸よりボールなどがあたり、末節部が急激に屈曲強制(曲げられる)される事で生じます。

基本的には手の指に多いですが、足の指でもタンスの角や硬いものにぶつけたりすると生じることがあります。

 

 

【マレットフィンガーの症状】

指先が下がったままで伸展(指先を反らせる動作)不可となります。

マレットフィンガー

マレットフィンガー

骨折タイプだと爪の根元に内出血が生じ、圧痛がはっきりとあります。

マレットフィンガーの内出血

マレットフィンガーの内出血

伸筋腱の損傷タイプだと指の伸展は不可ですが、痛みが乏しくあまり感じない事もあります。

また内出血があまりでません。

そのため指先が下がっている事に気が付かないとそのままにしてしまう可能性があるので注意です。

 

 

【マレットフィンガーの診断について】

簡単な検査をすることで診断がつきます。

指先より少し手前を掴み、指先を上げるように指示します。

上がらない場合、伸筋腱の断裂を強く疑います。

また完全に断裂しないで、部分的につながっているパターンもありますが対応は同じになります。

 

レントゲンにて骨折だけならⅡ型、脱臼もあるならⅢ型です。

 

 

【マレットフィンガーの治療や固定】

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タイプや各々によって異なります。

基本的にDIP関節を伸展位(伸ばした状態)で受傷組織に負担のかからないようにしますが伸筋腱は扁平で癒合しづらいのが特徴です。

また将来的に変形する可能性はありますが日常生活を送る上で支障は少ないです。

すると伸筋腱断裂タイプはあまり痛みがなく自覚症状が乏しいのに長期間の固定を強いられることになります。

これは本人にとって大きなストレスになるわけですね。

 

Ⅱ型、Ⅲ型は整復を行い固定をすることで安定します。

マレットフィンガーの整復と固定

マレットフィンガーの整復と固定

下記に固定期間を書いておきますが、あくまで目安として下さい。

 

伸筋腱断裂タイプ:保存療法か手術。保存なら6~8週

骨折タイプ:基本的に保存療法をすすめます。保存なら6週前後。

指の関節

指の関節

保存療法の場合での固定はDIP関節完全伸展位で、できればPIP関節は屈曲位で行います。

しかし上記にも書いてある通り、腱の断裂タイプは非常にくっつきにくいので「くっついたらいいな」ぐらいでDIP関節のみを固定する場合もあります。

固定も硬い固定具を当てしっかり固定する場合と、上記の理由と同じで簡単な装具で固定する場合もあります。

また本気で癒合を目指す場合、基本的に固定期間は固定を外すことはできません

Ⅰ型でも固定を外すと意味がなくなってしまいます。

皮膚の管理も難しいですね。

 

ちなみに手術ですが、実際は治療成績は保存療法とそこまで変わらないとされています。

それだけ伸筋腱と言うのは平べったくつきにくいのです。

また指の手術は術後の痛みが強かったり、腫れが中々ひかなかったりします。

これらはリハビリの妨げになるので、どっちにしろリハビリの期間は長くなるでしょう。

 

固定期間は8週間前後ですが、その後のリハビリなどでトータルでの治療期間は半年程かかることもあります。

 

 

【マレットフィンガーの経過とリハビリについて】

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骨折タイプはレントゲンでどのぐらいくっついたのかを随時確認できるので状況に合わせた判断がしやすいわけですね。

逆に伸筋腱の断裂はレントゲンでは写りませんので、おおよその目安で固定を外します

もちろん関節が完全に固まってしまうとリハビリが大変になっていしましますので、少しずつ固定角度の調節も行います。

しかしおおよその固定期間が過ぎ、少しずつリハビリを始めてみたものの、少しずつ指が下がってきてしまう事もあります。

固定除去直後は拘縮(固定等により関節が固まる事)により指が下がらないだけです。

 

実際私も一度経験があります。

あれは本当に冷や汗でした。予め患者さんとリスクの話はしていましたが気分のいいものではありません。

骨折の方も担当させてもらった事もありますが、こっちはレントゲンでくっつき具合が確認できるため、伸筋腱の断裂よりはるかに楽でした。

 

リハビリに関しては指を反らせたまま固定をするので、指を曲げる訓練を行います。

温熱と併用する事でリハビリが進みますが、一生懸命曲げすぎるとかえって炎症が起こる事がありますので、担当の先生にどのぐらい行いがよいか聞き、その範囲で行いましょう。

 

 

【マレットフィンガーの難しい判断ポイント】

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保存でいくか手術でいくか。

保存にしても固定はするのか。

固定するにしても癒合しない前提で短い固定をするのか。

それとも癒合を目指して長期の固定にするのか。

しかし長期の固定でも必ずくっつくという保証はない。

 

難しい問題ですが、大体は各々のスポーツやどの指を受傷したのかで判断します。

例えば小指の場合は反らせる動きというのはそこまで使うものではないので、痛みさえ取れればよいので、固定期間を短くすることができます。

しかし野球選手の利き手の中指や人差し指ですとそうはいきません。

ボールをはじく際に感覚が崩れてしまう恐れがありますので。

なら少しはくっつきやすい手術にしようか?となるわけです。

 

ですので、担当の先生とよく話し合う事が重要になるわけですね

 

 

【マレットフィンガーの注意点】

マレットフィンガーは部活動が盛んな学生に多いです。

そして学生だと骨が伸びるための部分である骨端線が残っている場合が多いです。

正しく治さないと骨が伸びる部分が損傷されたままとなり、将来的にそこだけ伸びない事もあります(と言っても指先だけですので大きな心配は少ないですが・・・)

また手術ですと骨端線部にピンを刺して固定する事があります。

これは個人的には疑問が残ります。

障害を残さない為に手術をするけど、障害が残りやすいところにピンを刺す。

う~ん。矛盾しているような。これは賛否が分かれるでしょうね。

 

無難に治療を行うのであれば個人的には骨折を併発いているものであれば治療施設がある整形外科を一番に、次いで整骨院を進めます。

基本的に腱の断裂タイプと違い骨折タイプはしっかり固定を行えば癒合は難しくありませんので。

 

 

【通常の突き指について】

マレットフィンガーではなかった場合はこちらのページをご覧ください。

「突き指とわかりやすいテーピングについて」

 

 

【さいごに】

上記の通りマレットフィンガーは伸筋腱が断裂したパターンが一番厄介です。

痛みがないくせに動かない。

固定期間が長いわりに、骨折と比べ必ずくっつくわけではない。

ドクターにしても手術しても必ずしも良好な結果が得られるわけではない。

事実治療する立場から言わせてもらっても骨折してくれていた方がどれだけ楽か・・・

指先をあまり使わない競技ならいいですが、野球の様に最終的に指を使う競技なんかは頭を抱え、目を背けたいです。

いや、今なら本人に確認しますが、出来るだけドクターに紹介する方向へもっていくかと思います。

 

マレットフィンガーの伸筋腱断裂タイプの方は慎重になって下さいね。

 

以上で「マレットフィンガー」の記事を終わりにしますが、マレットフィンガーについて質問等がある方は下記のお問合せよりご連絡ください。

 

「お問合せ」

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