よく運動や試合後3kg減ったよ!と声を大にして言っている人を見たことがある人は少なくないかと思います。
凄いと思う反面。実はそれは危険な事です。
今回はなぜ危険なのかとその対応策をまとめてあります。
また運動時は基本的にトイレに行きたくなる事は少ないはずですがトイレに頻繁に行く人も危険。
その理由とは?
運動後の体重減少が危険な理由
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運動時の体重減少の多くは水分と脂肪によるものがあります。
体重の減少は脂肪の燃焼も考慮する必要があるかと思いますが、今回はより反応が大きい水分にのみ焦点を当てて話していきます。
通常運動をすると体温が上がりますが、上がりっぱなりだと生命の維持に大きな問題を引き起こします。
この時身体の水分、つまり汗をかくことで熱を放出し体温の上昇を防ぎます。
その反面、当然体内の水分は急激に失われていきます。
水分がなくなることで、結果体重減少につながるという事です。
水分損失率と脱水症状について
身体にとって体温の調節は特に重要な要素ですが、体温調節で水を使い過ぎると生命の維持に必要な他の水分が足らなくなります。
以下目安となりあますが、水分損失率と現れる脱水症状となります。
水分損失率 | 現れる脱水症状 |
体重の1% | 発汗、のどの渇き |
2% | 強い渇き、集中力低下、めまい、吐き気、尿量減少、血液凝縮、 |
3% | 汗量の減少・停止 |
4% | 全身の脱力感、動きの低下、吐き気、 |
6% | 手足のふるえ、ふらつき、混迷、頭痛、体温・脈拍・呼吸数の上昇 |
8% | 幻覚、呼吸困難、めまい、 |
10~12% | けいれん、失神、循環不全、腎機能低下 |
15~17% | 飲み込み困難、目の前が暗くなる、舌のしびれ、 |
18% | 皮膚のひび割れ、尿の生成停止 |
20%以上 | 生命の危機 |
ポイントとなるのは3%の汗量の低下・停止です。運動中、汗をかかなくなったらまずいですね。
6%以上は熱中症が進行すると生じる事がありますので、気を付ける必要がなります。
運動時にトイレに行くことが危険な理由
基本的に運動開始後はトイレに行く事は比較的少ないですが、一度水分を補給した後にトイレに行きたくなる事があります。
実はそれは身体の黄色信号なのです。
上記にも書いてある通り、基本的に水分は汗として身体から出る事で体温調節をします。
そこで汗で失われた水分を補充する必要があるのですが、それが尿とし出てしまったら問題ですよね。
これには原因が2つあります。
1つ目は単純に過度に水分を取り、吸収しきれず出る場合。
これはまあ、練習中の行動としていいか悪いかは別として、水分の吸収の面ではよいでしょう。
2つ目は低ナトリウム血症のサイン
体内は塩分濃度などの値を一定に保つ様に出来ていますが、水ばかりを取る事で体内の水分が多くなり、相対的に塩分濃度が少なくなってしまします。
その状態となると体内の水分を出すことで体内の塩分濃度を保つように尿が近くなると考えられます。
低ナトリウム血症になることは頻度的に多くはありませんが、運動時、死亡例もあるので指導者・管理者は注意が必要と言えます。
低ナトリウム血症とは
体内のナトリウム濃度が異常に低くなっている状態で様々な身体的問題が出てきます。
塩分を過剰にとらないか、水分を過剰に取って排泄されない事で生じる事があります。
症状の初期では虚脱感や疲労感
進行すると頭痛、悪心、精神錯乱
最終的にけいれんや昏睡し亡くなる事もあります。
一時期アメリカで水の一気飲みコンテスト見たのがあり、大量の水を摂取したことにより亡くなってしまった方はいましたが、これがそうでしょう。
練習後の体重減少の許容範囲の目安
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体重減少の許容範囲は練習前と比べ2%と言われています。
つまり体重が50kgの選手なら1kg以内の減少に納める事が理想となります。
しかし純粋な脂肪の燃焼も考えるともう少し減っても大丈夫でしょう。
逆に2kgや3kgなど減る人は注意が必要ですね。
練習後の体重の減少は脂肪の燃焼ではなくそれは水分が失われて過ぎている事が考えられますよ。
運動での体重減少による水分と脂肪の減少量の計算
ではせっかくなので脂肪の計算もしておきましょうか。
脂肪は約7.2kcalの消費で1g減ります。
つまり7200kcal消費する事で1kgの脂肪が減った事になります。
競技別の消費カロリー一覧によると
バスケの3時間の練習は約1516kcalですので脂肪は約210g減った計算になります。
運動後体重が3kg減った場合、引き算(3000g-210g)をし実際は2790gは水分によるものという事が分かります。
つまり一回の運動では脂肪燃焼はそれほど効果がなく、多くは水分によるものだったという事が理解してもらえるかと思います。
減少の全てが水分と脂肪ではないのであくまで目安の数字ですが、多くの違いはないかと思います。
詳しい競技別のカロリーの計算方法は「部活や運動時の消費カロリーの具体的な計算方法。競技・練習内容別」をご覧ください。
運動後の過剰な体重減少の対策と改善方法
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体重減少には水分のこまめな摂取が必要となります。
基本的にのどが渇いたと感じた頃には体内の水分が減少してしるので、乾いてから飲んでは少し遅いでしょう。
喉が渇いたからすぐに飲める環境ではない可能性もありますしね。
目安としては運動開始1時間後ぐらいから15分に一度、コップ1杯ぐらいを目安に取れるといいでしょう。
その時塩分の摂取も忘れないようにしたいですね。
どうしても水分しか補給できなければタブレットタイプの補給剤を使うと手軽でいいですね。
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きちんとした水分の摂取が出来れば必然と尿の回数も減りますので上記の事を気を付ければ問題ありません。
これは指導者やトレーナーが行うべき最低限の事だと思います。
おわりに
運動後安易に体重が減少したことを喜んだり自慢する事は、身体の危険信号を無視している可能性があります。
純粋に脂肪の燃焼ではなく、多くは水分がなくなったためだと認識し、正しい水分摂取を心がけましょう。
またこれらの情報は学生が気にしにくい内容となりますので親や指導者が気にしていけるといいですね。