先日スポ.ラボさん主催のセミナー「肩甲骨から考えるスポーツパフォーマンス」に参加してきました。
参加メモその①は部活身体塾の塩多先生によるトレーニング面からの肩甲骨のお話だったのですが、参加メモその②はKoshi Conの西山先生による内容になります。
内容としては実際に投球時意識するポイントやその練習方法になります。
今回もセミナー内容を自分の為のメモとして公開していきたいと思います。
セミナーメモその①も公開してありますので、よろしければそちらもご覧ください。
肩甲骨から切り込むトレーニング その②
日にち:2016/9/10
場所:松戸整形外科クリニック
講師:西山陽一郎先生
時間:60分
費用:2つで2000円(異常な低価格)
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内容は西山先生が現場で行う初回の指導方法をそのまま?教授していただきました。
先生は主にこの子をみてと言われ、ある程度決められた時間内でフォーム調節などを行うようです(今回のセミナーではそのような印象を受けたので、実際は違うかも)
その際特に同意したのが「ゴールをわかりやすく設定する」です。
西山先生はゴールをプロとしていて、画像などを用いてわかりやすく解説して頂きました。これは生徒にも行っているようです。
もちろん全てを真似できるわけありませんが、切り口としても子供は少なからずプロに憧れるのでプロの話が出ると自然と聞きます。
”わかりやすい”そして”話を聞いてもらえる”のダブルでうまいと思いました。
内容はダイナミックさをメインとして大切にし、そこを踏まえた上でいくつかのポイントにわけて進んでいきます。
と言うのも大きくダイナミックに投げることで、結果身体の回旋をうまく使って肘の先走りを防止し、肘の投球障害の改善・対策、そしてフォームの改善につながります。
内容は腕のぶん回し、胸を張ること、振り切る事の重要性の3つを大きな項目とし進んでいきます
腕のぶんまわし
今回のセミナーでは投球フォームのテイクバック動作の1つであるアーム式を重要視しています。
テイクバックでの腕を後ろに引いて大きなフォームに見えるアーム式と、コンパクトでお!野球やってるなって感じの投げ方のスクラッチ式があります。
それぞれ腕を後ろに引く角度と、肘の角度に注目してもらえばわかりやすいでしょう。
腕のぶんまわしは次のポイントである胸を張る動作に大きく関係します。
スクラッチ式の場合は純粋に胸を張るのが難しく、肘が先に出るフォームになりがちです。結果肘を支点にする投球フォームになり、肘の怪我を誘発しますし、フォーム自体が女の子のような手投げになりやすいと言えます。
アーム式は反対にテイクバックである程度胸を張る事ができるので、胸を張り、投球で大切な0(ゼロ)ポジションが取りやすいと言えます。
また個人的に感じた事はスクラッチ式は肩甲上腕関節からの投球が誘発されるのに対し、アーム式は肩甲骨から投げるイメージが付きやすいと感じました。
アーム式のダイナミックなフォームを取得するためのエクササイズとして
- 大胸筋のストレッチ
- 腕をぶん回す運動(ボールは鷲掴みで、バケツに入った水をこぼさない様に回す感じ)
- 腕を8の字にぶん回す(ボールが鷲掴みでボールの重さを感じる)
が重要とのことでした
(頂きた用紙には背負い投げの事も書かれていましたが、今回のセミナーでは触れていませんでした)
セミナーメモその①と同様、許可を頂いていないので画像なしの説明となります。
胸を張る
胸をしっかり張る事は肘の先だしを防ぐ事に繋がります。
胸がしっかり貼れないと肘が先へ出てしまい、結果肘を支点とした投球フォームになりやすいからです。
そして実際の投球練習前の練習が始まります。
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①アーム式で腕を後ろに引き、胸の張りを感じる(重心はきちんと後ろ)
②肘関節を屈曲90°程に曲げる(ボールを耳に近づけ過ぎない様に注意)
③胸の張りを感じたら体幹を回すイメージで回旋(この時もボールは鷲掴みで、後ろに乗った体重を前に移動させるのも忘れない様に注意)
④慣れてきたら足の反動を強く行う(投球時足を高く上げるよりもイメージとして早く踏み出す意識をもった方がいい投球ができる傾向にあるとの事)
この辺りは現場の指導者としての生の意見ですね。
あくまで実際の投球練習前の練習になるのでボールは鷲掴みなどとなっていますね。
振り切る
最後のポイントは振り切るという点です。
きちんと腕を振り切るという事はフォームの改善で大切な要素です。
肘投げの選手などはきちんと腕を振り切る事が出来ません。それは体幹・肩甲骨で投げれていないという事になります。
その振り切るポイントと言うのが カーブの握り で投げるとの事です。
ボールを摘まむ点をずらし、手首は捻らず”ぬく”感じで投球する事で自然と前の縦回転がかかる為、縦カーブとなるとの事です。
このぬく感じと言うのが振り切るのに大切なポイントになるわけですね。
うまく抜ければ縦回転がかかりやすく、振り切るのにも繋がります。
最初は感覚を養う為、後ろにネットを接地し後ろに投げるイメージで行います(球をぬくので自然と真下へ落ちる)
ぬく感じがつかめて来たら徐々に距離を伸ばしていきます。
塁間の半分まで通常のキャッチボール→カーブ握りで胸を感じる様に意識しながらワンバン投球→カーブ握りで塁間距離をキャッチボール
の流れで行います。
しっかり胸を張り、最後まで振り切る事を意識して行う事が大切になります。
カーブの握りなどを聞くと変化球は力学だなと改めて感じます。そしてカーブを投げるのに無理に手首をこねたり捻ったりする必要ないんですね・・・(もちろんカーブの種類にもよるでしょうが)
セミナー感想
指導前と指導後のフォームの違いを映像と使ってポイントを絞って解説していただいたので、視覚的に変化が取らえる事ができ、とてもわかりやすい内容でした。
具体的な目標と映像を用いる事は子どもたちにとっても感覚的にとらえる事が出来るのでわかりやすでしょうね。
今回の西山先生は肘が先に出る原因に胸が張れないと言う点に注目しました。
ではなぜ胸を張れないかと言うと、テイクバック動作が小さい・小ぢんまりとしている事が原因の1つとなります。
テイクバックが小さい原因は柔軟性や身体をしっかり使えない事を上げていますが、私としてはそこに指導者の問題が大きく関係するかと思います。
「肘を柔らかく使って!」「手の向きがダメ!」「肘を下げない!」
そんな指導していませんか?と言うかそれは指導ではないです。
肘を柔らかく使うにはどうするべきか?って言うか肘が柔らかいって何?手の向きがダメになる原因は?
肘を下げない事ばかり意識すると今度は肩を痛めますよ。
更にそれを一度に言ったら子供の回路はパンクします。
どの動きが負担が少ないか。映像でみせ具体的な動きを身に付けさせる事が本当の指導になります。指導者の頭の中を口に出すだけではわかりません。
やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねばっ・・・てね。
ってそれは違うか 笑
西山先生の現場の声で、子供に負の情報を与えない・与え過ぎないと言う点も素晴らしいですね。
肘が下がっている。と言うとその事ばかり意識してしまいよくない。
それなら肘が下がらない指導、胸を張ってなどを行うなど前向きなアドバイスが大切という事も教えて頂きました。
今回の話は実際に野球の指導に当たっている現場のコーチなどに見てもらいたい内容ですね。
セミナーの本筋の内容もそうですが、細かいお話はとても参考になりおもしろいです。
主催して下さったスポラボさん、Koshi Con西山先生、会場をセッティングして下さった松戸整形外科のスタッフの皆様、ありがとうございました。
スポ.ラボとは
スポ.ラボはスポーツ障害の予防方法を科学的な目線からアプローチする研究会となります。
これからは医療従事者のみならず、選手・指導者・専門家が一体となって取り組む事になっています
活動にあたり5の柱を設けてスポーツ障害 ゼロ を目指しています
①現場での経験に基づいた意見交換
②スポーツ現場での情報収集
③前むき研究の実践
④現場データに基づいた科学的な障害予防方法の確立
⑤現場へのフィードバック・情報発信
この研究会は統計に凄く力を入れています。それが「科学的根拠」となるわけですね。
怪我をしない人は○○ができる。などをいくつ家あげてます。
スポーツ障害全般と言うよりは現在は野球、特にピッチャーに力を入れているようです。
気になる方はFacebookでよく更新されているよでそちらでチェックして見てください。
Koshi Conとは
Koshi Conは西山先生が代表とつめる新しい知識を取り入れながら1ランク上のパフォーマンスを実現する組織です。
解剖学、生理学、運動学を学問のコンセプトに情報も発信しています。
こちらもフェイスブックでフォローできるので、是非ご覧ください。
以上で2部構成のセミナーメモを終わりにします。よろしければその①もご覧ください。
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