これは私が整形外科を退職し、次の職場に勤める間に相談された内容になります。
その子とは退職する前にあらかじめ連絡先を交換していたので、相談されました。
実際に患部を見たかったので合流する事にしたのですが、退職したのでいかんせん場所がない・・・
しかしそこは奇跡的に専門学校の後輩が近くに住んでいるとのことだったので、少しだけ部屋を拝借することに成功し、問題はクリア出来ました。
ではでは、どんな状態だったのでしょうか?
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オーバーワークをした学生の特徴
性別:男性
年齢:15歳(中学三年生)
部活:サッカー・駅伝
相談内容:右大腿後面の謎の皮下出血
症状の確認
部屋にお邪魔し、ハーフパンツだったので早速患部をチェックです。
うつぶせで大腿後面をみると・・・
!!!
あ・・・結構広範囲に皮下出血が・・・
それこそ臀部の10㎝下ぐらいから、大腿下部まで至ってます。
でも少し時間が経っているせいか若干黄色くなりつつありますね。
他の症状は?
圧痛(-)
求心性収縮(±)
遠心性収縮(-)
荷重痛(-)
運動痛(±)
-:症状なし ±:少しあるかな?
(収縮の仕方についてはこちらをご覧ください→筋肉の収縮の仕方について)
あれ・・・?見た目に反してその他の症状がかなり乏しいです。
最後に伸張痛と柔軟性をチェックします
あら?
あららら・・・全然動きません。こりゃだめだ
部活はサッカーだよね?
んん?
駅伝もやってるんだ・・・(サッカーだけの日、サッカーと駅伝の日があるようです)
この筋肉で・・・
なるほど・・・
この筋肉の状態とその運動量じゃあ・・・ね・・・つまり
柔軟性が乏しい学生が広範囲に内出血がでたわけ
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「柔軟性が極端に低下した筋肉はオーバーワークにより、微小断裂を繰り返しおこし、皮下出血が出てしまう」
ということなんでしょう。
本当に細かい損傷の為に自覚症状・他覚症状が乏しかったのかもしれませんね。
しかし皮下出血が完全に吸収される前に何度も損傷しないと、この範囲でこうはならないでしょう・・・
スポーツ外傷というよりはスポーツ障害ですね。
そのあとは原因を教え、臀部~大腿部のセルフストレッチを指導し終了としました。
ちなみにこの子のサッカー部と駅伝部は県大会に出場するレベルなんですが、この筋肉をみますとあまり身体のケアをしていないようですね^^;
トレーニングは良かったとしても、まだまだケアの部分は浸透していないんだと思いました。
損傷した筋肉は元とまったく同じ状態に戻らないので、将来が心配です。
(今回ぐらいの細かい損傷なら大丈夫かな?)
オーバートレーニングによる内出血をそのまま放置したら危険。そのワケは?
オーバートレーニングによる内出血を放置してはいけない理由を簡単にですが、2つ紹介します。
柔軟性の低下
内出血ってそのまま放置してはいけません。と言うのも出血するとそのままだと問題ですので、血を固める作用が働きます。皮膚の出血でいうとかさぶたのことです。
本来は吸収といってなくなりますが、それがオーバートレーニングによりものだと繰り返すおそれがあります。
それが筋肉の中で起こるのです。つまり出血した血をそのまま放置し、繰り返して起こる事で柔軟性の低下につながるわけですね。
オーバートレーニング症候群
これは内出血と関連はしませんが、あきらかに筋肉の限界を超えて問題がおこっているわけですから、オーバートレーニング症候群になるリスクがあります。オーバートレーニング症候群については下記で詳しく解説してありますので、ご覧ください。
おわりに
普段からの身体のケアが大事だとあらためて思った出来事でした。
これは数年前の出来事ですが、衝撃的で今でも覚えています。
みなさんもここまで悪化する前にしっかりケアしましょう!!
他の治療例はこちら
→「肉離れをそのままにしておいた中学生の足が大変なことに。後遺症レベルです」
股関節の柔軟性のチェック方法はこちら
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