この症例は今から2年程前でしょうか。
肉離れを起こした中学生が治療に訪れてその状態にビックリしたので今でも覚えています。
なぜそのままにしてしまったか?
肉離れをそのままにした場合にした治療方法とは?
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肉離れを起こした中学生について
性別:男性
年齢:14歳(中学2年生)
部活:なし。ただしクラブチームで硬式野球をやっている
部位:大腿四頭筋(モモの前)
原因:ダッシュをして
そもそも野球で大腿の前面が肉離れするってのも珍しいです。
キックの時の負担の大きいサッカーや前後に揺さぶられるテニスなどは起こりやすといえますが。
またこの子の経過は少し変わっています。
2013/10上旬 最初に受傷し整体院へ同年11月治癒
2013/11 再受傷し他の整骨院へ
2014/1中旬 当施設来院
その段階で下記の状態でした。
ふとももを肉離れして放置した中学生の状態
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当時は皮下出血(内出血)も完全になくなり見た目には来院するような感じではなかったです。
しかし、いざ触ってみると
「いたっ!」
えっ・・まだそんなに押してないよ・・
サワサワ・・・
これはひどい。
なにがひどいって、この状態になってしまうのがひどいです・・・筋肉がかなり索状化(硬くすじばっている感じです)しています。
これだけ索状化して、圧痛があると運動は厳しいはずです。普通に歩いていたので歩行は問題ないようですが。
ストレッチをかけても伸張する前に痛みを訴えますね。
瘢痕化(硬結)も範囲が広いしこれは大変です。
まぁこれでは運動どころじゃありませんし、当分は治療に専念してもらいましょう。
症状としてはふとももの打撲で有名なチャーリーホースに近いですね。
肉離れを放置していた中学生の症状②
Q(大腿四頭筋)柔軟性↓↓
圧痛(++)
ダッシュ困難(痛みにより)
瘢痕化大
放置した肉離れの治療について
初期は筋膜リリースと超音波で索状化の除去を試みます。筋膜リリースはかたまってしまった筋肉と筋肉を剥がすものと想像してただければ問題ありません。
超音波は深い部分まで温熱治療が届くので硬結などに有効です。
数日治療をしていくと幾分か動くようになりますが状態はまだまだ。
随時ストレッチングもかけて筋肉自体の失われた柔軟性も取り戻していきます。
筋膜リリース、超音波からストレッチングを行い、荷重位のステップから本格的な運動訓練と徐々に機能を回復させていきました。
そして、かれこれ治療終了まで約2カ月かかりました。段階的に症状に合わせて運動は許可していましたが、やっぱりそれなりにかかってしまいましたね。
荷重でのエクササイズが不安であったり運動後に痛みを訴えたりっしましたが、無事にフルでクラブチームの練習が出来た時は素直にうれしかったですね。
瘢痕化はどうなったかというと、小さくはなりましたが残存していました。
というのも損傷した部分はまったく元の組織と同じにはならないのと、肉離れの初期治療が悪かったのが大きかったですね・・・
しかしその後は同様の症状で来院することはなかったので、問題はないのでしょう。
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さいごに
今回のお話は肉離れに必要な初期治療せずにいたために、運動が困難になるぐらい症状が悪化してしまった学生のお話でした。
一応他の治療施設に通院していたとのことでしたが、テーピングや包帯などの患部へのアプローチもなく、ストレッチング・セルフケアの指導もなかったとのことです。
もしかしたら最初の肉離れの段階である程度瘢痕化してしまっていたのかもしれません。
しかしどちらにしてもこんな状態になるまでほっておくことになった環境が理解できません・・・
初期であれば早期に復帰できたけど、そのままにしていたので結局長引き試合や大会に支障が出たなんて話はあってはいけないと思います。
初期処置・怪我をした時の報告のしやすい環境。重要です。
ちなみにこの前コンディショニングに訪れましたが、相変わらず筋の瘢痕化は残ってました^^;プレーに支障はないようですが。
現在は高校野球で元気に身体を追い込んでいるようです。
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以上で”肉離れをそのままにしておいた中学生の足が大変なことに”の記事を終えます。