2017/2に日ハムの大谷選手が三角骨障害である事がわかりましたね。
踏み込み動作を繰り返す事でも生じる有痛性三角骨傷害(足首後方インピンジメント)についてご覧下さい。
足関節の底屈(足首を下に曲げる)動作で足関節の後面に痛みを訴える障害は足関節後方インピンジメントが疑われます。
スポーツをする上でインピンジメントは問題となる事がしばしばあり、特に下肢は大きな問題となります。
ここでは足関節のインピンジメント、その中でも後方に注目して解説をしていきたいと思います。
ではご覧ください。
そもそもインピンジメントとは
そもそもインピンジメントとはなんでしょうか?
意味を検索しますと衝突や激突と出てくることが多いですが、医療の分野では主に「挟み込まれる」ことを指します。
インピンジメント症候群と呼ばれることが多い障害は肩で問題になることが多いですが、実は身体の様々な部位で生じています。
肩・股関節部・足関節部などがあがりますね。
一番メジャーな肩は下記をご覧ください。
足関節後方インピンジメントとは(有痛性三角骨障害)
足関節に下記の原因により三角骨が存在し足関節の底屈動作(空中では足首を下に向ける動作。立った状態ではつま先立ちの状態)で痛みを訴える障害になります。
この底屈時に足関節の後面で関節を包んでいる袋や、通常より肥大化した足関節の骨が挟まり痛みを生じます。
具体的には
- 通常無痛である三角骨がなんらかのタイミングで痛みになる事
- 本来関節内にはない余分な骨に反応する関節の炎症反応
- 足関節後面内側を通過している腱が三角骨と影響しあっての疼痛
などの病態があがります。
それを総称して足関節後方インピンジメント、または有痛性三角骨と呼びます。
基本的には三角骨と言う余分な骨が悪さをしていると考えてもらってよいでしょう。
また、三角骨が足関節後面の内側か外側に出来るかでそれぞれ内側タイプと外側タイプと分類されます。
有痛性三角骨障害の原因
成長に伴い足首を構成する骨である距骨は一つの骨となるために癒合します。
その時外傷や過剰な使いすぎが原因があり、骨がきちんと癒合せずに過剰骨として残ってしまうことがあります。
ここでの過剰骨が三角骨と呼ばれるものです。
過剰な使い過ぎとは基本的に足関節の底屈になります。
具体的にはジャンプ競技、サッカーにキック時、バレエなどがあります。
三角骨は無症状で存在していることもありますが、足関節の骨が挟まると痛みを生じます。
有痛性三角骨障害の症状
足関節の底屈(足首を下に曲げる動作)で足関節の後面やアキレス腱周囲に痛みを訴え、場合によっては関節部に腫れを認める場合があります。
足関節の底屈で痛みを訴えるという事は、ジャンプの時の踏み込みやサッカーでボールをける際のインパクト時に痛みが出るという事になります。
症状が進行しますと通常の炎症と同様に運動時の痛みが強くなる可能性がありますので注意しましょう。
有痛性三角骨障害の診断について
足関節の底屈で痛みがあり、レントゲンで三角骨が確認できれば足関節後方インピンジメント、つまり有痛性三角骨となります。
下記のテスト方法も参考にしてみましょう。
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足関節後方インピンジメントのテスト方法
座った状態で足をダランとベッドなどから出します。この時膝を曲げておきましょう。
検者が足関節を完全に底屈させます。
この時に足関節後面に痛みがある場合、陽性となります。
完全底屈時のまま左右に振り痛みが出る部位をより細かく検査する事もあります。
また足関節完全底屈位で母趾(足のおやゆび)を曲げる動作を行い痛みが出る場合、内側タイプの可能性が上がります。
これは母趾の筋肉は足関節の内側後面を走行するため、母趾を動かした際に摩擦により痛みを生じるためです。
有痛性三角骨障害の治療
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炎症など症状が強い場合はアイシングなどRICEの処置を行い、症状に合わせてテーピングを行う事もあります。
テーピングは足関節の底屈で痛みの出る障害ですので、底屈動作を行いにくいようにしましょう。また底屈状態で足関節の側方の動揺を抑える事で痛みが出にくくなることもあります。これは痛みが出ない方向を検査して行う事が必須ですね。
しかし、足関節の底屈動作はスポーツをする上で必要不可欠な動作になりますので、個人的にはこのテーピングはオススメできません。間違いなくパフォーマンスが落ちるからです。
もう部活をやめるので、あと何回かだけお願いします。ぐらいの勢いでないと正直行っても何度でも痛みが出るし、パフォーマンスが下がり、その場の対処だけのテーピングは個人的に気が進みません。
テーピング以外の処置としては患部にヒアルロン酸やステロイドの注射を行う事もあります。
しかし注射は一時的に痛みが取れてもスポーツを行っていると再発する可能性は十分にあります。
症状を抑えるのに強い効果があるステロイドは当然ですが、頻繁に行う事はできませんので結局は対処療法と言えるでしょう。
そしてリハビリになりますが、この障害は純粋に骨が邪魔をして痛みが出る障害になります。
他のインピンジメント症候群の様に動きを直して痛みを出にくくすることも難しいですし、現在のフォームを強制して炎症がでなくなるわけでもありません。
テーピングがだめ。
注射もダメ。
リハビリも難しい。
となると残る選択肢は手術になります。
え、手術。と嫌なイメージがある方もいるかもしれませんが、内視鏡で三角骨を摘出する事で術後の経過は良好な場合が多いようです。
診断が明確にでき、痛みが強い場合は摘出をおすすめします。
しかしどうしても手術に抵抗がある方はサポーター→テーピングの順番で、たまに注射を行うという選択になるかと思います。
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さいごに
過剰な骨のインピンジメントは痛みを伴う上に、パフォーマンスが下がってしまします。
思った様にプレーができない、痛みでスポーツをするのが怖い。
そんな状態で行うより摘出する事で症状が変わる事が多いならばそっちを選択する方が個人的にはよいかと思います。
症例数が多いであろう病院を検索し、相談するのがいいでしょう。
大きい病院に行きにくかったら近くの整形外科でもいいかもしれませんね。
早期の対処が苦痛になってしまったスポーツからの脱出になるはずです。
足関節後方インピンジメント(有痛性三角骨)と似た足首のスポーツ障害はこちら
以上で「足関節後方インピンジメント(有痛性三角骨)」の説明を終わりにします。
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