今回のスポーツメディスンの内容は運動連鎖に基づいたスポーツ障害について、特に投球動作に注目して書かれています
投球障害と言うとどうしても野球に注目されますが、バレーや投擲などのオーバーハンドのスポーツには多くの点で共通しますので参考になる点は多いかと思います。
いつもの様にレビュー少し詳しくないように触れていきたいと思います。
1.投球障害の診断と治療における運動連鎖からのアプローチ
スポンサーリンク
スポンサーリンク
最初の章は主にスクリーニングをメインに書かれています。
どういった事に注目して投球障害を探すかってことですね
冒頭からあまり聞きなれないパフォーマンスラインについて書かれています。
これを意識して練習する事でパフォーマンスの出方が違います。
これは下記の「書籍」に詳しく書かれていて、今回は触れる程度ですね。
さて、投球障害の検査方法ですが主にHERT(痛みの確認)、HFT(可動域検査)、CAT(可動域検査)を軸になされています。
テストが陽性であれば治療に入ります。
これは主に肩関節の検査ですね。
1つ例を挙げますとHERTの検査ですが、これは肩関節を外転外旋しそこから水平伸展していくものです。
つまり投球時でいうとコックアップからアクセレレーションへ移行する姿勢ですね。
この検査を身体の姿勢を変える事でどこに原因があるか予想しやすくなります。
・上向きで寝た状態で膝を曲げた状態と膝を伸ばした状態で検査
膝を曲げる事で骨盤からの影響をみます。
・胸椎(背中)にクッションをいれ胸椎の伸展を促して痛みに変化があるか
・頭の向きを変えて痛みがでるか
など応用の幅は多いですね。
この検査で痛みの出る出ないがあればそこに注目して治療ができますね。
次は今章のメインですが1~10の投球障害に対しての検査方法です。
これは主に体幹部~肩甲帯の検査になります。
このスクリーニングテストを行う事で痛みに変化があり、肩の外旋可動域も平均で14°改善されたとされています(18人)
ちなみに肩の障害を訴えない人には変化はなかったとのことです。
①頸部の可動域
②胸椎の伸展可動域
③股関節からの影響
④脊柱起立筋群
⑤腹直筋
⑥腹横筋
⑦後鋸筋
⑧前腕の回旋
⑨肩甲骨
⑩腱板
上記のスクリーニング検査で投球障害の原因を絞り込みます。
可動域が狭かったり、痛みがあった場合はそこに標準をしぼってリハビリを行うことになります。
写真が掲載されそれぞれが説明されていますが、少し見にくい写真です。
下記の本の著者は同じなのでカラーであるそちらの方が見やすいかもしれませんね。
次は投球開始の基準です。
姿勢を変えてHERTを検査し痛みを確認します
(正座→立位→ステップなど)
その他に
エクササイズ例
筋力について(投球時負担のかかる筋肉について)
投球動作のチェックポイント
具体的な投球プログラム
保存療法・手術の基準
がについて書かれています。
2.治療機関からグラウンドまでつなぐアプローチ
スポンサーリンク
スポンサーリンク
この章は主にリハビリについて書かれています。
序盤にはリハビリとトレーニングについてと指導者が簡単に考えがちな言葉での指導方法について。
「体の開きが早い」などの漠然的なものではなく、その原因について考えるべきだと書かれています。
親指荷重については親指に過荷重となる問題と指導方法についての間違い。
それらに伴い障害の解決方法は崩れたアライメントを直すものではなく、崩れるトレーニングの改善が重要である。ことから具体的には間違ったトレーニング角度について書かれています。
ベンチプレスや腕立て振れの手の角度は大丈夫なのかなど
またパフォーマンスラインについて具体例を用いて説明してあります。
他には
野球に必要な柔軟性と動きについて
下肢・体幹・肩・肘のセルフチェックのやり方
中でも注目されているのが股関節、特に股割りについて詳しく書かれています。
画像もあります
スクワット、ゴロ補給、ピッチャーズスクワットについて画像とともに説明してあります。
上記の説明も下記の参考書の要約になります。
詳しく知りたい方は下記の参考の方が見やすいです。
その他注目内容
連載記事の呼吸について
腹部のインターマッスルによるフィードフォワードについてと作用
胸郭の拡張が低下すると胸郭周囲の筋肉に負担がかかり痛みとなるなど
胸郭の拡張不足の原因と左右の可動の重要性について
チェストグリッピングの評価方法
(チェストグリッピングとは上部腹筋の過緊張のこと)
腹式呼吸を胸式呼吸について
呼吸パターンの評価方法
胸郭拡張の評価方法
が要約されて書かれています。
記事自体は短いですが内容がわかりやすく書かれていて濃い内容となっています。
投球障害の参考書について
下記に専用のページをご覧ください。
「投球障害に特化したおすすめの参考書”運動連鎖から考える投球障害”」
この160号については上記の「運動連鎖から考える投球障害」の要約になります。
具体的に知りたいのであればそちらの購入をおすすめしますが、連載記事の「呼吸について」は短いにしても腹部のインターマッスルについてよく書かれていますので、一読の価値ありですね。
スポーツメディスンの購入について
スポーツメディスンの購入にあたって注意点です。
基本的には年間購読をおすすめしています。
その理由と具体的な購入方法か下記からどうぞ。
160号のみの購入はこちらから
おわりに
普段の何気ないトレーニングや、当たり前だと思っていた身体の使い方も間違っていたという事もあります。
正しい認識を身に着けトレーニングしましょう。
今回の記事は時に投球についてメインに書かれていました。
以上で「スポーツメディスン160号のちょっと詳しいレビュー」を終わりにします。
スポンサーリンク
スポンサーリンク