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スポーツでの意識障害。復帰の目安とやめた方がいい場合。病院への通院は?

部活動を含むスポーツは相手との接触やバランスを崩して転倒した時など、様々な場面で意識を失うなどの意識障害が起こりえます。

そこで今回はスポーツでの意識障害をテーマとして、対処方法や復帰の目安などをまとめてみました。

 

いざという時に対応が出来るように指導者はもちろん、親も頭に入れておきたいポイントですので一度チェックして下さいね。

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スポーツでの意識障害について

スポーツでの意識障害は脳しんとうなど外力で起こるものが一番知られています。

しかし中にはてんかんや不整脈でも意識障害は起こることをご存知ですか?

ヒステリー、パニック、過呼吸などもその1つです。

今回は特に問題となりやすい頭部疾患をチェックしてほしいと思います。

スポーツでよく見る意識障害

脳しんとう、頭部外傷

糖尿病

熱中症

過呼吸、パニック障害

心臓疾患

てんかん

 

 

スポーツでの意識障害を起こす頭のケガ

スポーツで意識障害を起こす例は上記のようにいくつもありますが、ここでは特にポイントとなる脳へのダメージを理解するために、頭のケガに絞って解説してあります。

特に後から痛みや吐き気などが起こることもあるパターンは注意が必要ですね。

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①脳しんとう

通常脳しんとうは頭部に加わった衝撃により、短時間ですが神経機能が障害されるものになります。意識がなくなることもありますが、機能や構造的には問題がないことが多いとされています。

 

②急性硬膜外血腫

急性硬膜外血腫は脳を包んでいる膜、硬膜と頭の骨の間の出血となります。

基本的に骨折を伴い血が溜まることで脳を圧迫して意識障害が起こります。

これは場合によっては外傷後間もないと症状が目立たず、数時間後〜24時間程度遅れて症状が目立ってくることも少なくないので、帰宅後症状が少しでも悪化したら救急へ行く必要があります。

 

③急性硬膜下血腫

脳を包んでいる膜の内側にできる血の塊によって脳へのダメージを伴うので、はじめから意識障害が出現しやすいです。

急性硬膜外血腫よりも予後が悪く、スノーボードでは3年間で死亡例が50弱あり、早期の対応可能必要となります。

 

④くも膜下血腫

くも膜下血腫は脳を覆うくも膜の下の出血をいい、突然発症する激しい頭痛が特徴で元々の脳の血管の形の影響もあります。

 

⑤脳出血

脳出血とは脳自体の出血で高血圧や動脈硬化がある高齢者に起こりやすいです。片麻痺や感覚障害、眼の障害、頭痛、嘔吐など広い症状が出ます。

 

 

現場での意識障害のチェック

スポーツ現場での意識障害のチェックポイントをご覧下さい。

素人でも簡単に出来る事が多いので理解しておくととっさの時に役立つでしょう。

原則として頭は動かさないようにして下さいね。

①意識がはっきりしているか

先程のJCSの2ケタ(10〜30)、3ケタ(100〜300)は原則スポーツは中止し、原因を突き止めるために救急車を呼びましょう。

JCSとはJapan Coma Scaleの頭文字をとったもので、日本での意識レベルの共通認識として使われています。そくドラマで意識レベル○○ですといっているのがこれですね。

<JCSについて>

刺激しないでも覚醒している(数字1桁で表現)
1 だいたい意識は鮮明だけど、今一つはっきりしない
2 見当識障害がある
3 自分の名前や生年月日が言えない
刺激すると覚醒するが、刺激をやめると眠りこむ(2桁で表現)
10 普通の呼びかけで容易に開眼
20 大きな声や体をゆさぶって開眼(簡単な命令に応じる)
30 痛み刺激+呼びかけで開眼
刺激をしても覚醒しない状態(3桁で表現)
100 痛み刺激で払いのける動作をする
200 痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめる
300 痛み刺激に反応しない

 

②神経症状、筋力の確認

眼の瞳孔が対称か話がうまくできるかツバが飲み込めるか顔はきちんと動くか握力や歩行はできるかがポイントとなります。

目を閉じて腕を前に伸ばして左右差をチェックするバレー徴候は片側の運動麻痺の評価に有用です。

問題がある場合、左右で前に出した手の高さが変わってしまいます。

 

③頭の外傷のチェック

頭部のケガをチェックする必要があるので、静かに髪の毛をかきわけましょう。

首をなるべく動かさないのが重要です。

吐き気がある場合は吐いたもので気道をふさがないように回復体位をとらせる必要もあります。

↓回復体位は理解しておく必要がある

回復肢位のイメージ

④外傷がない場合

ぶつけたりなど外傷はない場合もその時の環境により意識障害が起る可能性があります(血圧、強い不整脈、既往歴により)。

もしバイタルサイン(血圧、体温、脈など)がとれない場合は一時救命処置と呼ばれるBLS(basic life support)の原理に則り、救急コール、AED、心臓マッサージを考慮しましょう。

一次救命処置(いちじきゅうめいしょち BLS:Basic Life Support)とは、呼吸が止まり、心臓も動いていないと見られる人の救命へのチャンスを維持するため、特殊な器具や医薬品を用いずに行う救命処置であり、胸骨圧迫と人工呼吸からなる心肺蘇生法(CPR)、そしてAEDの使用を主な内容とする。以下は基本的にJRC(日本語版)ガイドライン2010 第1章 一次救命処置(BLS)に基づき、必要に応じて他の章、他のガイドラインも参照した。ガイドライン2010成人向BLSの主要なポイントは迅速な胸骨圧迫の開始と、その中断を最小限にすることである。一方、小児用BLSや溺水で、特に熟練救助者の場合はガイドライン2005との差はさほどない。

Wikipediaより

意識障害への対処法と運動の継続について

上記のチェックをして全て当てはまらなかった場合は回復を待って少しずつ運動を再開させましょう。

もちろん途中で具合が悪くなったり、繰返す場合は即中止とします。

回復後も大丈夫と放置をしないで、一度医療機関への受診が望ましいですね。血の溜まり方によっては時間が経過してから吐き気や頭痛が出るケースもあるので、気をつけて下さい。

もちろん出た場合はすぐに救急へ。

本来は日本ラグビーフットボール協会のように医師の診断書を提出制にしたり、じゃなければ強制的に運動の復帰を禁止すべきでしょう。

まだまだこのあたりは難しい問題でしょうけど…

 

おわりに

今回のポイントはその場で意識障害が起こらなくてもあとから出ることがあるということです。

これを知っていないと命に関わるので注意が必要ですね。

また明らかにおかしいと思ったら救急車を早急に呼び、素人がむやみに動かして悪化させないようにしましょう。

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