鼻骨骨折はスポーツ現場の怪我で病院にかかる割合は低いとされていて、一院で一年で30例はないとされています。総外来の0.2%とのこと(慈恵医大耳鼻科外来より)。
しかしその後将来的に鼻の変形による形成外科を受診することは少なくないとされています。つまりその時は軽くみていても将来的に気になったり、問題となったりするのことがあるってことですね。
今回はそのままにされやすい、スポーツ現場での鼻骨骨折についてまとめました。
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鼻骨骨折とは
鼻の下半分の口に近い部分の多くは可動性のある軟骨、反対に付け根の部分は骨で構成され動きはほとんどみられません。
外からの力は可動性のある部分は自らが動いてショックを吸収できますが、稼働性の低い付け根の部分はショックが吸収できず、骨折しやすいのです。
そして鼻の付け根は眼や脳といった最重要器官があるので注意が必要です。
鼻骨骨折が多いスポーツ
鼻骨骨折は人や用具との接触によるものが多く、中でも球技やコンタクトスポーツに多いです。
また意外なのが熱中した結果起こるよりも(不可抗力)、トレーニング中の注意散漫の方が多いとされています。
チーム明との声掛け不足もこれに当たります。
鼻骨骨折の判断方法について
本来、骨折の診断は医師以外が行ってはいけませんが、ただの鼻血か骨折の恐れがあるかの「判断」ぐらいはできた方がとっさの時にいいでしょう。
もちろん前提として頭を強くぶつけた恐れがある場合は無理に動かしてはいけません。
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鼻骨骨折の判断ポイント①見た目
骨折があると見た感じとして、鼻がまっすぐてなく横にずれていることかあります。元々ずれていない限り骨折の可能性が高くなりますね。
鏡などがあれば本人に確認してもらいましょう。
鼻骨骨折の判断ポイント②出血
出血量もポイントで、実際の見ためただけではなく口を開けてノドに流れていないか確認しましょう。
鼻骨骨折の判断ポイント③触ってみる
受傷直後は腫れがすぐにはでないので、この時に触って確認して置くのも1つの方法です。
鼻の根本を左右から優しく触り、痛みがあるか確認しましょう。
ただ腫れは段々と強くなるので、注意が必要です。
骨折がある場合は以上の3つが当てはまる事が多いです。目安にして下さい。
鼻骨骨折の応急処置
鼻骨骨折は頭を下げる強く打ったり、意識障害があるようならそちらを優先します。
出血がある場合は清潔にし止血をしましょう。
上記の鼻骨骨折の判断ポイントによって骨折が疑われたり、出血はないものの息が通っていない場合は血腫の可能性もあるので、病院やクリニックにかかることをおすすめします。
出血自体の対応はこちらをご覧ください。
→スポーツ現場での鼻血について。出た時の対処方法や止め方、復帰は?
頭をぶつけたり意識障害がある場合はこちらの記事を参考にして下さい。
→スポーツでの意識障害。復帰の目安とやめた方がいい場合。病院へは?
鼻骨骨折の手術と現場の復帰について
骨折により変形がある場合は手で曲がった骨を治す整復をするか、手術をすることになります。
鼻骨骨折の整復の場合は1〜2週間程度で患部のプロテクターが外れます。
手術の場合は骨折が副雑であるケースが多く、入院が必要で2〜3週間プロテクターが必要となります。
復帰としては対人プレー以外は2週間〜
対人プレーは4週間前後が復帰の目安となります。
もちろん治るスピードや痛み具合によって多生異なりますのであくまで、目安と考えて下さい。
鼻骨骨折の後遺症
鼻骨骨折の後遺症は機能的な問題よりも、主に外見(見た目)の問題です。
その時は軽微なズレでも、顔面の骨として関連する顎関節の歪みなどでズレが大きく見えてくるケースもあります。これは立派な後遺症と言えますね。
スポーツに熱中する時はあまり気にならなくても、将来的なことを考えたら一度診察を受けた方が無難でしょう。
おわりに
鼻骨骨折は重症でなければ治りは悪くありませんが、初期処置でズレを治さないと将来的に鼻が曲がってしまう事があります。
鼻をぶつけ、根本がずれている場合は医療機関を受診しレントゲンなどをチェックする必要がありますね。
ある程度時間が経過してしまうと形をなおすのが大変なので注意しましょう。
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