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外脛骨障害と有痛性外脛骨のリハビリとテーピング

足の捻挫と勘違いして来院する方が少なくないケガに有痛性外脛骨障害があります。

有痛性外脛骨障害は軽く捻っただけだしいいかな?と思いそのままにしておくと、どんどん症状が悪化し、治ゆまでに時間がかかるおそれがあります。

あらかじめ知識を入れておく事でそのような事が起こらないようにできますので、このページで基本を押さえていざという時に備えましょう。

 

 

有痛性外脛骨とは

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足部は7つの骨が積み重なって構成されます。

その足部の内側部の骨の出っ張りを外脛骨(舟状骨の一部)といいます。

外脛骨の場所

外脛骨の場所

↑外脛骨は基本的に舟状骨と言われる足の骨の一部と考えてOK

この部分が下記の原因により炎症が生じ痛みが出る障害を有痛性外脛骨障害、または外脛骨障害といいます。

荷重部位であるため、治ゆに苦戦する障害でもあります。

 

 

外脛骨について説明

外脛骨は前述とおり舟状骨の一部になりますが、全員にあるわけではありません。

実は余分な骨で15~20%の人に外脛骨があるようです。

また外脛骨にはパターンがあります。

  1. 舟状骨と外脛骨が完全に癒合
  2. 舟状骨と外脛骨が完全に分離
  3. 舟状骨と外脛骨が靭帯組織で結合

③が一番多く、捻挫や打撲で痛みが出現しやすくなります。

また後脛骨筋のけん引力により、骨の出っ張りがだんだんと出る事もあります。

 

 

外脛骨障害の症状

外脛骨部の圧痛

荷重痛(小指側に荷重を乗せて歩くと痛みが減少します)

逆に小指側に体重を乗せると痛みが少なくなくなるという特徴があります。

 

 

外脛骨障害の原因

  • 外脛骨部の打撲
  • 足関節・足部の捻挫に伴い受傷
  • 過回内足・内側縦アーチの低下により、後脛骨筋への過度な伸張ストレス(過回内とアーチの低下が原因の場合、膝や股関節が原因のこともありますので、下記のリハビリよりエクササイズを行いましょう)
  • 靴が過剰にあたることによる炎症

回内足とは?

回内足、回外足

左が回外側、真ん中がニュートラル、右が回内足。

回内足は偏平足と認識してもらえばわかりやすいかもしれません

回内足は足の親指側の筋力不足、小指側の柔軟性不足が考えられます。

 

 

外脛骨が多いスポーツ

外脛骨障害は特定のスポーツというよりも、その人の外脛骨の状態によるところが多いですね。

あえて言うならば接触も多くなるサッカーが頻度的には多くなるかもしれません。

 

 

外脛骨の診断

レントゲンで診断が確定します。

しかしスポーツをしていて、この部分に痛みを生じていた場合、レントゲンを撮影しなくても外脛骨と判断できます。

部位が近く鑑別が必要な疾患に後脛骨筋腱炎がありますが、圧痛部位を注意深く確認するとわかります。

骨にかなり近い部位で分らない場合は、それほど近いということで、外脛骨と同様の処置でいいでしょう。

 

 

外脛骨障害の治療やリハビリ

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初期はやはりRICEを行います。

症状が強く・長くある場合はステロイドの注射も行うようですが、おすすめしません。

我慢できなければしょうがありませんが、きちんと治療で治しましょう。

 

靴などに接触して痛い場合はパッドなどをあてて、固定を行う事もあります。

 

どうしても治らない場合は手術も選択肢にあります。

外脛骨の除去手術になりますが、予後は良いようで4週間でスポーツに復帰できるようです。

あくまで最後の手段ですね。

 

後脛骨筋エクササイズ

アーチの低下予防・過回内足改善のため後脛骨筋の短収縮エクササイズを行います。

舟状骨と内果(内側のくるぶし)を近づけるエクササイズになります。

後脛骨筋エクササイズ

後脛骨筋エクササイズ

 

過回内の防止をするための2つの重要なエクササイズ

足をついた時に足が内側に潰れてしまう人は股関節や膝との連動がうまく出来ない方も多いです。

まずは「ステップテストとステップエクササイズ」で確認・エクササイズし、必要に応じて下記のエクササイズを行う事で、過回内-kneein(ニーイン)-内股の悪い連動を改善する事をすすめます。

 

回内足を改善する具体的なエクササイズはこちら

回内足を防止する関連記事
■股関節の外旋ができないと内股にないやすいです。

膝・股関節のスポーツ障害やケガを予防する”股関節外旋エクササイズ”

■偏平足(回内足)の予防に必要な小趾の荷重エクササイズはこちら

「偏平足と足部のスポーツ障害の改善に必要な小趾荷重エクササイズ」

インソールを処方することもあるようです

インソールに興味がある方は

インソールの注意点」を確認しましょう

 

 

外脛骨障害のテーピングとサポーター

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個人的に荷重の問題はサポートテーピングでは効果が出にくいのが本音なので、痛みが強い場合はサポーターや硬い固定を行い、運動をしないのが治る近道です。

 

◎アーチを上げての荷重で楽になる場合はアーチを上げるテーピングを行います。

ホワイトorキネシオ

アーチのテーピング

アーチのテーピング

◎後脛骨筋腱炎と判断が難しい場合は後脛骨筋に沿ってキネシオでテーピングを行います。これはあまり効果がないかもしれません。

 ①が後脛骨筋テープになります。

後脛骨筋のテーピング

後脛骨筋のテーピング

また下記の記事にもアーチに関するテーピングを記載してありますのでご覧ください。

「足底腱膜炎のリハビリとテーピング」

テーピングの種類に迷ったら下記のページを参考にして下さい。

→「テーピングの選び方とおすすめのテーピング

 

外脛骨のサポーター

テーピングはかぶれてしまう可能性があり、人によっては向いていません。そんな方にはサポーターをおすすめします。

アーチが下がったり、親指側に重心がかかると痛みが出やすいので防止するためにもサポーターは効果的でしょう。

巻き方は足首の捻挫とは逆の巻き方にする必要があります。捻挫と同じ巻き方は内側アーチがつぶれつように誘導するテープとなるので注意が必要です。

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サポーターの走行としては下記を参考下さい。

ただし炎症が強く、当たって痛い際は無理に行わない方がいいでしょう。

またサポーターを付けてその場で痛に変化がない場合や痛みが強くなる場合は無理に付けないようにして下さい。

誘導イメージとしては外脛骨が軽く上を向くようにして下さい。正し過度に誘導すると捻挫をしやすくなるので注意が必要です。

外脛骨のサポーターの走行

 

 

鑑別診断が必要なケガ

実は外脛骨障害は鑑別診断が必要なケガがあります。

それが第一ケーラー病(舟状骨無腐性壊死)です。

これは専用の記事で解説してるので、そちらをご覧ください。

3~8歳の子供が足が痛いと言ったら注意。無腐性壊死の第一ケーラー病とは

 

さいごに

外脛骨障害は足底腱膜炎やその他荷重関節の問題と同様で荷重がかかるため、治ゆに時間がかかりやすく再発しやすい障害です。

痛みが取れ、復帰できた場合は再発予防をしっかり行う事が大事になります。

また第一ケーラー病との判断もしておいた方が無難と言えますね。

 

外脛骨障害と似た記事はこちらをご覧ください。

「足底筋膜炎のリハビリとテーピング」

「後脛骨筋腱炎のリハビリとテーピング」

「シンスプリントの治療とリハビリ」

 

以上で「有痛性外脛骨障害」の説明を終わりにします。

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